韓国南西部の珍島沖で起きた大型旅客船「セウォル号」の沈没事故を受けて、朴槿恵大統領の支持率下落が続いている。事故対応を巡る不手際が相次ぎ、国民の不満や怒りが大統領を直撃している。
民間の世論調査会社「韓国ギャラップ調査研究所」が5月7、8日の両日、全国の19歳以上を対象に、RDD方式で実施し、808人から回答を得た調査によると、朴大統領が職務を「よくやっている」と答えた人は46%となり、前週から2%下落した。「よくやっていない」の41%を上回っているものの、平均5~6割あった支持が、事故後に4割台に落ち込んでいる。
不支持の理由で最も多かったのが「セウォル号事故の収拾の不手際」が30%、「リーダーシップ不足、責任回避」が15%と、事故の対応が不支持の増加に結びついた様子がうかがえる。逆に支持理由のうち「セウォル号収拾努力」をあげたのは7%、「危機対処」は4%だった。
事故による死者は5月9日午後3時現在で273人が確認され、行方不明者は31人。遺族の一部は連日、大統領への面会を求めて大統領府前で抗議の座り込みを続けている。朴大統領は各地で謝罪表明を続けており「沈没事故による民心萎縮対策」として景気対策の補正予算を打ち出すなど、民心掌握に必死だ。
ただ、これが、2018年まで任期を4年近く残す朴大統領の政権基盤を根本から揺るがすのかは、まだ不透明だ。
世代別では20代、30代の支持が3割以下と低いが、朴大統領の支持基盤でもある50代以上の支持は高く、60代以上では7割以上が「よくやっている」と答えている。
政権与党のセヌリ党は、所属国会議員の不祥事などもあって事故直前より支持率を6%減らしたが、存在感を示せなかった最大野党の新政治民主連合も微減となっている。逆に「支持政党なし」が事故前の26%から33%へと増加しており、与野党への不信がそのまま無党派となっている格好だ。
朝鮮半島を専門とする国際政治学者は、Twitterで以下のような調査結果の見方を示している。
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