安倍首相は来日したオバマ大統領との会談について「仕事の話ばかりだった」と愚痴をこぼした。4月25日夜、東京・銀座のステーキ店でに麻生太郎財務相や菅義偉官房長官らと懇談した際に漏らしたという。「ビジネスライク」と評されるオバマ氏と波長を合わせるのは難しかったようだと、スポニチは分析している。
首相は23日夜、オバマ氏を銀座の高級寿司店「すきやばし次郎」に招き、約2時間半にわたって会食。オバマ氏は「人生の中で一番おいしい寿司だった」と感想を述べたとされ、打ち解けた雰囲気を演出したが、実際は環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で譲歩を迫られていた。24日の首脳会談でも調整が難航し、共同声明の発表が25日にずれ込むなどペースをつかみきれなかった。
(スポニチ『安倍首相グチった…オバマ大統領は「仕事の話ばかり」』より 2014/04/26 05:30)
一方、すきやばし次郎での会食が日米両首脳の信頼関係構築につながったかというと、外務省幹部は当初からそれほど期待していなかったようだ。
(会食は)両首脳の個人的な信頼関係構築につながったかというと「初めからそこまで期待していない」(外務省幹部)のが本音だ。日本側もそこはあくまでビジネスライクに割り切り、すし店での夕食会で両首脳は実利的に北朝鮮や中国など東アジア情勢などについて意見交換した。
オバマ氏は外交辞令や会談でのジョークなどを好まず、本題だけを話したがることで知られる。昨年2月に訪米した安倍首相との昼食会でも、バイデン副大統領らがワイングラスを傾ける中で、オバマ氏の前にはミネラルウオーターの瓶だけが置かれていた。「彼はビジネスライクだけど、それは仕事をするという意味では別にいい」安倍首相は最近、周囲に淡々とこう漏らした。
(MSN産経ニュース『【米大統領来日】「すし外交」しゃり噛む音も「ジツリ、ジツリ」 同盟強化もビジネスライク』より 2014/04/24 07:11)
なお、24日の記者会見でもオバマ大統領は、すきやばし次郎での会食についても触れたが、メニューについては「素晴らしい寿司と酒だった」と述べるとどまり、「幅広い問題についてディスカッションを行った」と強調し、沖縄を含む安全保障の話を続けた。ビジネスの話に終始した会食を終えた後、寿司屋から出てきた安倍首相の表情はどこか残念そうに見えなくもない。
■すきやばし次郎に入る前の安倍首相とオバマ大統領
■すきやばし次郎から出てくるときの安倍首相とオバマ大統領
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