日中戦争前後の船の賃貸料を巡る賠償訴訟で、支払いに応じていないとして「商船三井」が中国の裁判所に船を差し押さえられた問題で、同社が裁判所の決定に基づく29億円あまりに金利分を加えた約40億円を、供託金という形で中国側に支払っていたことが4月24日に発表された。朝日新聞デジタルなどが報じた。
中国の損害賠償訴訟で敗訴した商船三井の貨物船が上海海事法院(裁判所)に差し押さえられた問題で、同法院は24日、同社が29億円余の賠償金に金利分を加えた約40億円を支払ったことを明らかにした。
(朝日新聞デジタル「商船三井、中国に40億円 貨物船差し押さえ解除」2014/04/24 10:39)
浙江省の港に停泊していた商船三井の鉄鉱石運搬船「BAOSTEEL EMOTION(バオスティール・エモーション)」は差し押さえ措置の解除が決定された。同社は、支払いに応じなければ出港が認められず、船が競売にかけられる恐れもあると判断し、中国側の要求に応じることを決めたようだ。
今回の訴訟は、日中戦争前後の貨物船の賃貸料などが未払いだとして、中国の船会社の関係者が商船三井に賠償を求めていたものだ。MSN産経ニュースでは裁判の経緯を次のように報じている。
1936年に商船三井の前身の企業が中国企業と契約し船を借り受けたが、旧日本軍に徴用され、日中戦争時に沈没。その後中国側は賠償請求を続け、2007年に上海海事法院が商船三井に約29億円の支払いを命令。10年の2審判決で原告勝訴が確定した。上海海事法院は19日、同社の貨物船1隻を差し押さえた。
(MSN産経ニュース「商船三井が和解金 貨物船差し押さえ 中国側に40億円」2014/04/24 07:06)
商船三井が事実上の和解金を支払った形になったことで、中国で同様の訴訟が多発する可能性も出てきた。
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