高知県・室戸岬沖の定置網に4月22日、深海魚「ホテイエソ」105匹が入っているのが見つかり、そのうち1匹は生きた状態で捕獲された。ホテイエソの生態は詳しく分かっておらず、同地でここまで大量に発見されたことは記録にないという。47NEWSが報じた。
付近の海洋生物の生態を調べているNPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪)によると、網は地元漁師が沖合約2キロ、深さ約70メートル付近に仕掛けた。体長は10~25センチくらい。生きている1匹は協議会が保管しているが、だいぶ弱っているという。
(47NEWS『室戸岬沖で深海魚105匹 「海域に異変か」と専門家』2014/04/22 17:08)
ホテイエソは、水深120~800メートルに生息する。まっ黒い体に、長いあごひげの先に発光器を備えているのが特徴。この光で他の魚をおびき寄せて補食するという。コトバンクでは以下のように解説している。
下あごの先端に発光器を備えたひげが1本ある。体は細長く円筒状に近い。ひげの発光器で餌を誘い,自分と同じくらいの大きさの魚でも鋭い歯で捕食し丸のみにする。歯は口の内側方向にだけ倒すことができ,一度とらえた餌を逃しにくくしている。このような捕食習性で餌の少ない深海によく適応している。
(ホテイエソ とは - コトバンク)
前述の日本ウミガメ協議会の研究員は「ここまで大量な数は記録にない。むしろ怖い」と不安がっているという。スポニチが伝えた。
室戸沖で年に数匹程度は網にかかるが、21日に9匹が一挙に捕獲され、協議会は「貴重な標本」と大歓迎。ところが、翌日になんと10倍超の105匹が捕獲され、一転して不気味な雰囲気に包まれた。協議会の室戸基地研究員の渡辺紗綾さん(30)は「ここまで大量な数は記録にない。海の流れや水温に特に変化がなかったので、むしろ怖い」と謎めく現象に不安を隠せない。
(スポニチ『高知・室戸岬の定置網に深海魚「ホテイエソ」105匹!』2014/04/23 05:30)
日本近海では今年に入って、ダイオウイカ、リュウグウノツカイ、メガマウスなどの珍しい深海魚が次々と見つかり話題となっている。「温暖化で海水温が上昇した影響では?」と指摘する専門家もいるが、詳しい理由は謎に包まれている。
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