ネムリユスリカの幼虫、宇宙で生き返る 若田光一さんが実験成功

カラカラに乾燥しても、水を与えることで生き返ることで知られる「ネムリユスリカ」の幼虫が、宇宙空間でも生き返った。
安藤健二

カラカラに乾燥しても、水を与えることで生き返ることで知られる「ネムリユスリカ」の幼虫が、宇宙空間でも生き返った。国際宇宙ステーション(ISS)で船長を務める宇宙飛行士の若田光一さんが、日本実験棟「きぼう」で実験に成功したと日本とロシアの共同研究チームが4月15日に発表した

ネムリユスリカはアフリカの半乾燥地帯に生息する昆虫。全長8ミリほどの幼虫は普段は水中で暮らすが、完全な乾燥状態になっても水を与えると約1時間で復活する。これは微生物の「クマムシ」などと同じくクリプトビオシスという性質で、昆虫ではネムリユスリカの幼虫が唯一持っているという。

今回、宇宙環境でも乾燥に耐えるかを調査した結果、乾燥状態のネムリユスリカの幼虫100匹のほとんどが、水を与えると宇宙でも活動を始め、2週間後には7匹がさなぎとなり、そのうち1匹が成虫になった。乾燥状態から蘇生した幼虫が、さなぎや成虫になったことが確認されたのは今回が初めて。

研究チームのメンバーである農業生物資源研究所の奥田隆・上級研究員は、以下のように話しているという。

「乾燥させた幼虫は宇宙に運びやすく、扱いも簡単。宇宙基地で魚を養殖する際に、生き餌として利用できるかもしれない」

(朝日新聞デジタル「乾燥しても死なない昆虫、宇宙でも蘇生 若田さんが実験」2014/04/16 07:50)

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