昼間にうたた寝をすることは、睡眠不足を補い、エネルギーを高め、生産性を上げ、認知機能を高めるなど、さまざまな健康上の効果があると認められている。
ハフポストアメリカ版では、睡眠の専門家であるマイケル・ブラウス博士の助けを借りて、「効果的な昼寝」のためのとっておきの秘訣をまとめてみた。重要なルールを7つ紹介しよう。
1. 不眠症の人は昼寝をしないように
睡眠不足の人にとって、日中のうたた寝には、毎晩の睡眠を補うという大きなメリットがある。だが、不眠症に悩まされている人(つまり、夜になかなか眠りにつけないか、長く眠り続けることができないか、その両方の状態にある人)は、昼寝をしてしまうと、夜に眠りにつくのがますます難しくなる。不眠症の人にとっては、昼寝をしない方が睡眠の継続性が高まることが研究によって明らかになっているのだ。
「最後に睡眠をとったときの時刻は、次に眠くなるまでどのくらいの時間がかかるかに直接影響する、という研究データがある」とブラウス氏は指摘する。「午後2時に昼寝をすると、眠りに落ちるまでにより長い時間がかかることになる」
2. 30分の時間制限を設ける
一般的に、うたた寝は25分~30分程度にした方がよいとブラウス氏は言う。長く深すぎる眠りに陥ってしまうと、目覚めたときに一層疲れを感じるリスクがある。この程度の時間であれば、そうしたリスクを避けながら身体を休めることができるという。
「昼寝が特に重要なのは、日中に疲れてしまうのに、夜に十分眠ることができず、睡眠不足を少しでも補いたいと思っている人とってだ」とブラウス氏は言う。「30分を超える昼寝だと、深い眠りに陥る。昼寝から目覚めたときに、気分がさらに悪くなった経験はないだろうか。そうした状況が起こるのだ。(中略)長く寝すぎてしまうと、そこから脱することがとても難しい睡眠の段階に入ってしまう」
3. 時間があれば、「深い睡眠サイクルの昼寝」をしてみる
かなりの疲れを感じていて、昼寝をする時間が90分とれるなら、あなたの身体はそのことに感謝するだろう。90分間眠ると、身体はレム睡眠状態に入ることができる。これによって、睡眠不足を少しでも取り戻せるだけでなく、創造性を高めることさえできるかもしれない。
「平均的な人の睡眠サイクルは約90分だ。だから、時間にどの程度の余裕があり、起きたときにどのような気分になりたいかを考えて、25~30分の昼寝をするか、90分の昼寝をするのか選ぶといい」とブラウス氏は述べている。
4. カフェイン仮眠をとる
ブラウス氏は、「カフェイン仮眠」をとってみることを勧めている(同氏はこれを「napalatte」(ナップラテ)と呼んでいる。
カップ一杯のコーヒー(もちろん、少しぬるめにする)を飲んでから、すぐに短いうたた寝をするのだ。これによって、睡眠後には元気がさらに増したように感じられるという。(コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果が現れるまでには約30分かかるので)、目覚めた直後からカフェインが機能し、すっきりとリフレッシュした気分になるのだ。
5. 昼食後、昼寝をしないで外を歩く
昼食後にエネルギーがダウンしてしまうと訴える人に対し、ブラウス氏はしばしば、横になる代わりに15分間外を歩くことを勧めている。ストレスや慌ただしいスケジュールのせいで疲れているなら、少し時間をとって外で過ごすことが、効果的にエネルギーを補給できる手段になるというのだ。
「午後1時~3時の間にいつも疲れを感じるというのは、ほとんどの人に当てはまることだが、だからと言って、必ずしも昼寝をする必要があるわけではない」とブラウス氏は説明する。「日光が必要な場合もあるのだ。午後のこの時間帯になると、深部体温が下がるが、それは脳がメラトニン(睡眠を誘発する化学物質)を生成していることを示す信号だ。日光の中を歩けば、メラトニンが生成されなくなるため、効果を得られる可能性がある」
6. 午後4時以降は昼寝をしない
寝不足のせいで疲れているなら、午後の合間にうたた寝をすることで、エネルギーレベルを高めることができる。最も眠りに落ちる可能性が高いのは正午から午後4時の間だが、これは人間の概日リズムにおいて、エネルギーが最も低い時間帯と一致する。
職場でうたた寝をするなら、アイマスク、耳栓、小型の目覚まし時計などの「お昼寝キット」を持ち込んで、眠りに落ちやすくするといい、とブラウス氏はアドバイスしている。
7. 10分のうたた寝でも効果がある
睡眠不足を感じているが、完全に眠ってしまうことはできないという場合には、5分か10分の仮眠をとるだけでも有効だ。2002年に行われた研究によれば、夜にあまり眠れなかった場合でも、わずか10分のうたた寝をするだけで、気分をよりスッキリさせることができるという。
[(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
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