国土交通省は3月28日、2050年になると、日本の人口は約9700万人に減少し、全国の6割以上の地域で、人口が2010年時点の半分以下になるという試算を発表した。国交省は、試算に基づき、リニア中央新幹線を東京・大阪間で開業し、東京・名古屋・大阪の3大都市圏を「超巨大都市圏(スーパー・メガリージョン)」として一体化することなどを掲げた、これからの国土整備の基本方針である「国土のグランドデザイン」の骨子を発表した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
日本の面積は約38万平方キロメートルある。国交省はこれを1平方キロメートルごとに約38万ブロックに分け、それぞれの人口推移を計算した。その結果、今は約18万平方キロメートルに人が住んでいるが、50年にはその2割で人がいなくなり、6割で人口が半分に減るという。無人の地域は全体の約53%から約62%に広がる計算だ。
(朝日新聞デジタル「日本の6割、無人地域に 2050年、国交省試算」より 2014/03/29 13:24)
国交省は試算に基づき、今後の国土整備の基本方針を示す「国土のグランドデザイン」の骨子を発表し、地方では都市機能を「コンパクトシティー」として集約したうえで地方都市間の交通網を整備するべき、などの指針を示した。NHKニュースによると、国交省は2014年の夏にグランドデザインを正式に決定し、今後政府全体の国土の整備計画の見直しに反映させたい考えだという。
リニア中央新幹線が2045年に東京・大阪間で全線開業することで、東京・名古屋・大阪の3大都市圏は「超巨大都市圏=スーパーメガリージョン」として一体化するとしています。そして、これに接続する新幹線や高速道路などの高速交通ネットワークを整備し経済効果を地方に波及させるべきだとしています。
また、今のままでは過疎化が進んで存続が危ぶまれる地域もあるとして地方では都市機能を「コンパクトシティー」として集約したうえで地方都市の間の交通網を整備すべきだとしています。
(NHKニュース「国土整備の基本方針骨子決まる」 より 2014/03/28 11:12)
「国土のグランドデザイン」の骨子では、目指すべき人と国土の姿は「伝統的な行政区分や地域区分にとらわれない、より広域的な発想が必要」であるとしている。大都市圏は、リニア中央新幹線の開通で、東京・名古屋・大阪が1時間で結ばれることにより、首都圏・中部圏・近畿圏を一体化し、「スーパー・メガリージョン」を形成することで国際競争力を強化することなどを挙げている。
一方、地方は「市役所等を中心とする街なか機能の再整備」「街なかと周辺部を交通ネットワークでつなぐ」「住宅は時間軸を考慮して徐々に集約」などにより、コンパクトシティを形成する。また、「集落が散在する地域において、日常生活に不可欠な施設・機能や地域活動を行う場を歩いて動ける範囲に集めた地域拠点の形成」などによって、「小さな拠点」による生活支援を行うことなどを掲げている。例えば、平日はブロック中枢都市で働き、休日は田舎で両親の介護を行うなど、ブロック内の地域間連携により、東京への人口移動の「防波堤」にしたい考えだという。
【※】人口の減少が続く日本のあるべき「国土の姿」とは、どんなものだと思いますか?読者の皆さんのご意見をコメント欄にお寄せください
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