スギ花粉症に悩まされている人に朗報がある。対処療法でなく、根治を目指す「舌下減感作療法」が6月以降、保険適用になる。
花粉症は、花粉に身体が過敏に反応してしまい、防御作用として鼻水やくしゃみ、目の痒みなどの症状がでるメカニズムだ。舌下減感作療法は、スギ花粉のエキスを舌の上に垂らして、身体に少しずつ慣らしていくことで、症状の軽減を図る。くしゃみや鼻水などの症状を直接、和らげる薬とは異なり、体質そのものを変えるのが特徴だ。
こうした減感作療法はこれまで、注射を用いるものが一般的で、長期間に渡る通院や、注射の痛みなど、患者の負担が大きかった。舌下治療薬なら、舌の上に垂らすだけなので負担が少ない。治療薬は鳥居薬品の「シダトレン」。1月に厚生省に認可されており、4月に保険適用、6月以降、医師の診断のもと処方薬として、販売が始まる予定。
鳥居薬品のウェブページによると毎日投薬して、治療には3〜5年を要するという。その効果については、「7〜8割は症状が軽くなる」とする専門医の発言もある。
舌下免疫療法で治療した場合、「治療を受けた患者の7〜8割は症状が軽くなる」と大久保教授。このうちの「1割は症状がなくなる」という。これは根治するということだ。
5割は症状が半分くらいに軽くなり、ピークの1週間だけ薬を飲んだり、症状が出たときだけ服用できる。岸本さんはこの5割に当てはまった。
あと2割は症状が軽くなり、残り2割は治療前と変わらない。症状が変わらない2割はアレルギーよりも過敏症など別の原因が考えられる。
(ダイヤモンド・オンライン「花粉症の根治もある「舌下免疫療法」から iPS細胞で注目の再生医療までを全網羅 ここまで治る!“超”先端医療|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ」より 2013/01/07)
起こりうる副作用としては、アナフィラキシーショックのほか、口腔内のかゆみ、喘息発作、腹痛、嘔吐などが挙げられている。
口や手足のしびれ、じんま疹(しん)、冷や汗などで始まり、しだいに脈が非常に弱くなり、血圧が急激に低下するのが特徴です。
そのまま放置すると、呼吸困難、チアノーゼ(動脈血の酸素不足のため皮膚や粘膜(ねんまく)が青白くなる反応)、意識を失うといった激烈な反応が現われます。
(コトバンク「アナフィラキシーショック とは」より)
なお、以下に当てはまる人は、この治療法は選べない。
・妊娠されている方
・喘息や気管支喘息の症状が強く出ている方
・重症の口腔アレルギーの方
・抜歯後などの口腔内の術後、傷や炎症などがある方
・ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用されている方
(花粉症ナビ「教えてドクター! 花粉症のための『舌下免疫療法』」より)
【花粉症関連の記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー