ウクライナ海軍トップのベレゾフスキー総司令官が3月2日、ロシア派のクリミア自治共和国のアクショノフ首相に忠誠を宣誓した。クリミア半島のセバストポリにある海軍本部を明け渡したという。ロイターが報じた。
ロシアのテレビは、ベレゾフスキー氏が親ロシア派のクリミア指導者に忠誠を誓う様子を放映した。これに対し、ウクライナ側は国家反逆罪に当たるとして捜査を始めた。
(ロイター「ウクライナ海軍総司令官が投降、親ロシア派に忠誠」2014/03/0 3 08:03)
ベレゾフスキー氏は3月1日にウクライナ暫定政権が総司令官に任命したばかり。ロシアが軍事介入の動きを強める中で、暫定政権は大きな打撃を受けた格好になる。ベレゾフスキー氏はセバストポリにある海軍本部をロシア側に包囲され、抵抗せずに武器を置いたという。47NEWSによると、暫定政権はベレゾフスキー氏を解任したという。
ウクライナ新政権は同日、国家を裏切ったとして司令官を解任し、検察当局が訴追手続きを始めたと発表した。
(47NEWS「ウクライナ海軍司令官が寝返る 親ロのクリミア首相に忠誠」2014/03/03 08:04)
セバストポリは人口36万人で、クリミア半島で最大の都市。黒海に面した軍港で知られ、ウクライナ海軍本部とロシア海軍基地が置かれている。クリミア半島の大部分を占めるクリミア自治共和国に属さず、ウクライナの首都キエフ直轄の特別市となっている。
時事ドットコムは、自治共和国のアクショノフ首相はベレゾフスキー氏を総司令官とする「クリミア海軍」を創設すると発表したと報道した上で、次のように分析している。
ロシア側は圧倒的な軍事力を背景に、ウクライナ軍将兵が大量に投降していると宣伝する「情報戦」を仕掛けている。ウクライナ将兵の厭戦(えんせん)気分を高め、無血でのクリミア半島完全掌握を目指しているとみられる。
(時事ドットコム「ロシア、クリミア占領拡大=ウクライナ海軍司令官投降-拠点次々包囲、無血掌握狙う」2014/03/03 06:04)
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