戦後まもなく行方不明になっていた「幻の浮世絵」が66年ぶりに一般公開されることになった。江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の代表作として知られる「深川の雪」が、2012年から国内の古美術商で保管されていたことが、NHKの取材で分かったという。
日本の古美術商のもとでおととしから保管されていたことがNHKの取材で分かり、その後、本物かどうかを専門家が鑑定した結果、歌麿本人の肉筆画であることが確認されたということです。描かれている風俗や画風などを専門家が分析した結果、歌麿の晩年期に当たる19世紀初頭に描かれたとみられるということです。
(NHKニュース「歌麿の浮世絵 幻の大作見つかる」2014/03/02 12:18)
「深川の雪」は縦2メートル、横3.5メートルと巨大な肉筆の浮世絵。「品川の月」、「吉原の花」とともに、「雪月花」3部作として歌麿肉筆画の傑作と言われている。東京・深川の料亭を舞台に、27人の遊女や芸者が火鉢を囲んだり遊びに興じたりする姿が、生き生きと描かれているのが特徴だ。
1948年4月15日から銀座松坂屋で開催された「第二回浮世絵名作展覧会」にわずか3日間展示された後、行方が分からなくなった。これまではモノクロ写真しか記録が残っていなかった。
今回、パチスロメーカー大手「ユニバーサルエンターテインメント」の岡田和生会長が、古美術商から「深川の雪」を購入。岡田氏が名誉館長を務める神奈川県箱根市の岡田美術館で、4月4日から6月末まで一般公開されることになった。同館では3月2日、次のように発表している。
今回の発見に至るまで、「深川の雪」の姿を今に伝えるのは古いモノクロ写真のみでした。本作がこのようにして色鮮やかに甦り、広く一般に公開されることで、低く見られがちであった歌麿の晩年期の再評価をはじめ、歌麿研究に大いに貢献することが期待されます。
(岡田美術館『66年ぶりに一般公開喜多川歌麿「深川の雪」』 )
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