「アンネの日記」事件でユダヤ人団体が声明「犯人特定を」 菅官房長官も遺憾の意

東京都内にある複数の公立図書館で「アンネの日記」や関連書籍250冊以上が破られた事件を受け、アメリカのユダヤ人団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」は2月20日、「強い衝撃と懸念」示す声明を発表、日本の当局に対し犯人の特定と対処を求めた。

東京都内にある複数の公立図書館で「アンネの日記」や関連書籍250冊以上が破られた事件をハフィントンポストが報じたことを受け、アメリカのユダヤ人団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」(本部ロサンゼルス)は2月20日、「強い衝撃と懸念」を示す声明を発表、日本の当局に対し犯人の特定と対処を求めた。一方、菅義偉官房長官も2月21日、「我が国として受け入れられない恥ずべきこと」と遺憾の意を表した。

サイモン・ヴィーゼンタール・センターのエイブラハム・クーパー副代表は声明の中で、この事件は、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の記憶を侮辱する組織的な試みだとして強く非難。「多くの日本人がいかにアンネを学び、敬愛してきたかは知っています」としながら、アンネの歴史、勇気、希望、愛の言葉を破壊しようとするのは、偏見と憎悪に満ちた者だけだと批判、日本の当局に犯人を特定する努力を求めている。

また、菅官房長官は2月21日、会見で一連の事件について問われ、「背景についてはまったく予測もしかねるわけでありますけれども、被害を受けた図書館から警察に被害届が出され、現在捜査が行われているということであります。本件が事実であるとすれば、我が国として受け入れられるものではなく、きわめて遺憾なことであって、このようなことは恥ずべきことであって、警察当局もしっかりと捜査するものだろうと考えております」と述べた。

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