北朝鮮の人権状況を調べてきた国連の特別委員会は2月17日に最終報告書を発表し、北朝鮮による日本人などの拉致を国際法上の「人道に対する罪」に当たると断定した。これに合わせて、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは、強制収容所に長期間拘束された人々の証言が収録されているビデオ「北朝鮮 強制収容所を生き延びて」を公開した。
生存者たちは、収容されていた人たちを支配するために暴力や公開処刑などが組織的に行われ、人々が飢えに苦しんでいるという生々しい実態を明らかにした。また、収容所の管理体制や残虐行為を詳しく述べた元看守らの証言も収録されている。
国連の特別委員会は最終報告書で、こうした収容所について「強制収容所における政治犯への筆舌に尽くしがたい残虐行為は、全体主義国家が20世紀に作り上げた強制収容所がもたらしたおぞましさに類似するものだ」と述べた。
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また、1990年代の大規模な飢餓は「国民を飢えさせる」という人道に対する罪であったとし、これが「当時の政治体制の維持を目的とした決定と政策であり、大半の国民が飢餓状態に陥ること、死者が発生することもはっきり自覚されていた」と指摘した。
最終報告書は「主に1970年代から80年代前半にかけて、北朝鮮工作機関により韓国人と日本人の拉致が広範に行われていたことも、人道に対する罪に該当する」と認定している。
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