国際的なジャーナリストの団体「国境なき記者団」が2月12日に発表した「世界報道の自由度ランキング 2014」で、日本は59位となり、2013年の53位から更に順位を下げた。アジアの中では、台湾(50位)、韓国(57位)を下回り、全体を5段階に分けたうちの上から3番めとなる「顕著な問題」に転落した。特定秘密保護法の成立や、福島第一原発に関する情報の透明さが欠ける点などが響いた。
世界報道の自由度ランキングは世界各国・地域の報道の自由度を順位付けしたもので、検閲の状況、法的枠組み、透明性、インフラなどの項目で、世界180カ国・地域を対象に採点する。
2014年の日本が順位を59位に下げた理由として、リポートは「特定秘密保護法」の成立をあげた。同法の成立により、「調査報道、公共の利益、情報源の秘匿が全て犠牲になる」としている。
更にリポートは、福島第一原発の報道の状況についてもコメントしており、「原発関連産業企業家 フリーランスに過大な賠償を請求」という記事や「特定秘密保護法」に関する記事を引き合いに出し、次のように述べている。
福島の検閲
逮捕、家宅捜索、国内情報機関による取り調べや司法手続きの脅威 ― 2011年の福島第一原発の事故が日本のフリーランス記者にとって多大なリスクになると、誰が考えていただろう。福島の事故以来、『記者クラブ』という日本独特のシステムによって、フリーランスや外国人記者への差別が増えている。
『原子力村』として知られている原子力産業の複合体を取り上げようとするフリーランスの記者は、政府や東京電力が開く記者会見への出入りを禁じられたり、主要メディアならば利用できる情報へのアクセスを禁じられたりするなどで、手足を縛られている。
今、安倍晋三首相が『特定秘密保護法』という法律で縛ることで、彼らの闘争は、更に危険なものになってきた。
(国境なき記者団「World press freedom index 2014 Asia-Pacific」より 2014/02/12)
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