「現代のベートーベン」として知られる耳が不自由な作曲家の佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんが「十数年前から別の人物に作曲を頼むようになった」と代理人を通じて発表した問題で、大学講師の新垣隆(にいがき・たかし)さんが「私がゴーストライター」と告白した。本人が2月6日に会見を開いて経緯を説明することになったと、テレ朝ニュースが伝えている。
新垣隆さんのコメント:「この度は世間をお騒がせしまして誠に申し訳ございません。私は佐村河内守氏のゴーストライターを18年間にわたってやっておりました。その件につきまして、皆さまの前でお詫び申し上げたいと思い、記者会見を開かせていただきます」
(テレ朝ニュース「“実際”の作曲家が「おわび」コメント 6日会見」2014/02/05 17:58)
無声映画専門の「マツダ映画社」のアーティスト紹介によると、新垣隆さんの肩書きは「無声映画伴奏者」。以下のようにプロフィールを紹介している。
無声映画伴奏者
新垣 隆(Takashi Niigaki) ピアノ
1970年生まれ。桐朋学園大学音楽部作曲家卒業。ピアノを故森安耀子、作曲を南聡、中川俊郎、三善晃の各氏に師事。現在、作曲・演奏の両面において幅広い活動を展開している。現代音楽の分野において自作品の発表、国内外の現代作品の研究および演奏、アマチュア活動へのコミット(市民オーケストラの指導)等を精力的に行っている。自身の音楽作品としてはアンサンブル・ジェネシスのための「セレナード」(BSハイビジョンにて放映)などがある。桐朋学園大学音楽学部非常勤講師。無声映画伴奏楽団「カラード・モノトーン」のメンバーであり、又ソロ演奏者としても活動弁士と共に公演を行っている。
佐村河内さんは、広島市出身の被爆2世で、両耳が聞こえない作曲家として知られている。しかし、2月5日になって「交響曲第1番 HIROSHIMA」などの主要な楽曲は、別の音楽家が作ったものだったと代理人を通して発表した。ソチ冬季オリンピックでフィギュアスケートの高橋大輔選手が使用する楽曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」も、佐村河内さんが作曲したことになっていた。
週刊文春のウェブサイトによると、新垣さんは事実を公表した背景に、ソチ冬季オリンピックの影響があったことを示唆している。
「公表するべきか逡巡しましたが、やはり事実を明らかにして自分もお詫びしなければならないと思い至りました。このまま事実を伏せ続ければ、五輪という大きな舞台までもが佐村河内氏の虚構を強化する材料にされてしまうのではないか、と」
(週刊文春WEB『「現代のベートーベン」佐村河内守氏のゴーストライターが語った!』2014/02/05 18:00)
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