カリフォルニア州にとって、2013年は、雨量の観測を開始した1849年以来、最も乾燥した1年だった。
気候学者のB. リン・イングラム氏によれば、古い木の年輪の幅から考えて、カリフォルニア州にこれほど雨が降らなかったのは約500年ぶりだという。
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は非常事態を宣言し、バラク・オバマ米大統領は支援を約束。州や連邦政府の当局者は、同州で水不足の影響を最も受けやすい人たちを守るための対策に乗り出している。
飲み水の不足
カリフォルニア州当局がまとめたリストによれば、同州の17の農村地域が、60日~120日間渇水する危機に見舞われているという。
「レストランでの水」は禁止
ブラウン知事は、「農村部と都市部の両方」の州住民に対し、使用する水の量を自主的に20%削減することを求めている。だが、多くの都市が節水を義務化し始めており、特に北カリフォルニアではその傾向が強い。
サクラメント市とフォルサム市は、すべての住民と事業者に対して、水の使用を20%節約することを義務付けている。サクラメント市はさらに、芝生の水やりを許可する時間と曜日を定め、従わない者には最高1000ドルの罰金を科している。
サンタクルーズ市は、飲食店に対し、客の求めがない限り飲料水を提供することを禁じたほか、新しく建設されたプールに水を張ることを禁止している。
食糧危機
カリフォルニア州の農業は、全米の穀物販売のうち15%を占めている。だが、2014年にはまったく収穫できないかもしれない、と農業関係者は懸念している。高価な水を購入して灌漑しようとする農家もあるが、水不足で植え付けできない農家も多い。
牧場でも、牧草の量が非常に少ないため、牧場主らは家畜の餌に苦労している。そのため、代替飼料の購入を増やす牧場もあれば、家畜を群れごと売却せざるを得なくなった牧場もある。
少ない水をめぐる争い
この法案は通らなかったが、彼らは再提出すると明言している。さらに、州知事は複数の州機関と連携し、250億から670億ドルの費用をかけて、北カリフォルニアから南カリフォルニアへの水の供給を確保するという計画を提案している。約48キロメートル地下に2本のトンネルを建設する計画だ。
だが、環境保護主義者らはどちらの提案にも強く反対し、これらの提案は三角州の生態系を破壊すると主張している。彼らの主張は、政府はこうした提案ではなく、より多くの雨水を貯留したり、水の節約や再利用に取り組んだりすることを法律で義務化すべきだというものだ(州知事は現在、節水を呼びかけてはいるが、義務付けてはいない)。
前例のない数と規模の山火事
1月1日~25日までの間に、カリフォルニア州の消防署は406件の山火事に出動した。これは前例のない多さだ。2013年1月の同時期に起こった山火事の件数は0件で、過去の平均も69件なのだ。
2013年8月には、ヨセミテ国立公園が山火事によって大きな損害を受けた。研究者らによれば、この火事で残された不毛の地は、1350年から現在まで消失したすべての面積より大きいという。
[Kathleen Miles(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
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