※2014/01/31 11:06更新 中北教授の原稿案を反映させました
NHKが、ラジオ番組で原発の再稼働についての問題を取り上げようとした大学教授にテーマの変更を求め、これに反発した大学教授が番組を降板していた。
時事ドットコムなどによると、番組はNHKラジオ第1放送で午前5時から8時に放送している「ラジオあさいちばん」。東洋大学の中北徹教授が1月30日の「ビジネス展望」のコーナーに出演予定だった。
中北氏がWEBRONZAに提供した原稿によると、中北氏は原発の再稼働の是非について、都知事選で焦点になっているとされ、国会でも質疑応答があり、安倍晋三首相も「議論が行われるのは望ましい」と述べたことを指摘した。経済学の観点から①安全対策や事故の保険料など稼働コストの上昇②巨大事故の際にもたらされる損害の膨大化③廃炉費用が企業会計に明示されていない、などの問題点をあげ、「リスクである積の値を確実に減らし、ゼロにできるのは、原発を止めることになるだろう」と結論づけた。
これに対し、ディレクターは「有権者の投票行動に影響を与える」「(脱原発は)選挙が終わってから扱ってほしい」などと答え、テーマのさしかえを求めてきたという。中北教授は「特定の立場に立っていない」と主張したが、受け入れられなかったとしている。
(時事「NHK、脱原発テーマに難色=大学教授がラジオ番組降板」より 2014/01/30 12:26)
NHKは朝日新聞の取材に、以下のようにコメントしている。
NHKは「脱原発論を放送しないというわけではない。原発が争点になっている都知事選期間中は、双方の意見を紹介するなど、より公平性を確保することが必要。1人が出演するビジネス展望では困難だと判断し、テーマの変更を求めた」としている。
(朝日新聞デジタル「NHK、都知事選中の脱原発論に待った 大学教授が降板」より 2014/01/30 13:46)
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