イギリスでは現在、親と同居している若者の数が330万人を超えていることが明らかになった。その原因は、若者たちに自立して生活するだけの経済的余裕がないためだと考えられる。
国家統計局(ONS)の調査によると、親と生活する20歳から34歳までの若者の数は、近年急激に上昇しており、1996年から2013年までの間に66万9000人(25%)増加している。しかも2008年以降、増加のペースはさらに加速している。
国家統計局のリリースによると、親と同居する若者(20歳から34歳)は1996年には21%だったが、現在は26%になっている(20歳から24歳、49%)。18歳から24歳の失業率は現在19%(2013年4月から6月)。
イギリス全国住宅連盟のデビッド・オア代表は、次のように述べている。「実家を出て自分自身の家に住むことは、これまでは誰もが経験する通過儀礼だった。けれども、この統計から明らかなように、現在のイギリスでは、若者が親元を離れて自立することが困難な状況だ」
「成人した子が1人以上同居していると答えた親のうち3分の2(66%)が、同居の理由は単に家を出るだけの経済的余裕がないためだと回答している。そして、今後この状況はさらに悪化していくだろう。われわれの調査から得られた予測によると、2020年までに家賃水準は39%、住宅価格も35%上昇する」
「立地条件が良く、生活のしやすい家を適正な価格で提供していかないかぎり、若者たちは、いつまでも子供の頃の住まいに留まることになる。親たちも、人生の次の段階へと進むことができないだろう」
日本の総務省統計局は、20歳から34歳の「親との同居の若年・壮年未婚者」について、1980年から2010年までの推移をまとめている(
PDF)。それによると、20歳から34歳のうち、親と同居する未婚者の率は2010年には47.5%になっている。30代後半~40代前半の男性の約2割が、親と同居する未婚者という調査結果もある。
[Asa Bennett(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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