沖縄県の仲井真弘多知事は12月27日記者会見し、宜野湾市にある米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設するために、政府が提出していた埋め立て申請を承認したと発表した。1996年の日米合意から17年にわたる普天間移設問題が、大きな節目を迎えた。時事ドットコムが報じている。
仲井真知事は会見で、埋め立て申請について「基準に適合していると判断し、承認することとした」と表明。政府の沖縄振興策に関し、「安倍内閣の沖縄に対する思いが、かつてのどの内閣にも増して強いと感じた」と評価した。基地負担軽減策については「安倍首相は、沖縄の4項目の要望を全て受け止め、米国と交渉をまとめていく強い姿勢を示した」と語った。
(時事ドットコム「沖縄知事、埋め立て承認表明=普天間辺野古移設」より 2013/12/27 15:37)
普天間基地は住宅地に隣接していることもあり、1995年の少女暴行事件や、2004年の沖縄国際大学構内への米軍海兵隊ヘリ墜落事件などの発生により、沖縄県民による早期移設・返還の要望が高まった。
1996年には日米間で普天間基地返還が合意され、2006年には「再編実施のための日米のロードマップ」を発表、辺野古沿岸部へ代替施設を建設し、2014年までに完成させるとしていた。
しかし、辺野古への移設は沖縄県民が反対しており、沖縄県の41市町村すべてが、県内移設に反対を表明したままの状態だ。2013年7月の参院選では、自民党の立候補者さえも、党の方針であった「辺野古移設」とは異なる「県外移設」を主張して戦っていた。
ところが2013年11月に、自民党の沖縄県連所属国会議員らが、名護市辺野古への県内移設を容認する姿勢に転向。「受け入れ先が決まらないまま県外移設を進めようとすれば、普天間基地の固定化が続く」ということが理由とされた。
仲井真知事は、埋め立ての対象となる沿岸部の環境保全について、有識者から成る環境監視委員会を設けることや、ジュゴン、ウミガメなどの海洋生物保護対策を求めたうえで承認するとしていたが、26日の会見ではこの点について次のように話している。
「審査の結果、現段階で取り得ると考えられる環境保全の措置などが講じられており、基準に適合していると判断し、承認することとした」と述べました。
(NHKニュース「仲井真知事 埋め立て承認を正式表明」より 2013/12/27 16:03)
一方、沖縄知事公舎前では27日、県内移設反対派の市民が埋め立てに反対する抗議を行っている。
「県民は承認しない」「政治不信が深まった」。約2000人(主催者発表)が集まり、埋め立て反対を訴え、声を上げた。県庁前の広場には、時折雨が降る中、午前11時ごろから、反対派の人たちがプラカードやのぼりを手に続々と集結。仲井真知事が埋め立てを承認したことを報じた地元紙の号外が配られると、「許せない」と怒りの声が湧き起こった。
正午すぎには、集まった人たちが輪になって県庁を包囲。県庁に向かって、「不承認」と書かれたボードを掲げ、「政府には屈しない」「撤回まで頑張ろう」と口々に叫んだ。終了後は数百人がそのまま県庁になだれ込み、1階のロビーに座り込んだ。
(時事ドットコム「「県民は承認しない」=抗議集会、県庁前に2千人-辺野古沖埋め立て・那覇」より 2013/12/27 15:43)
ハフポスト日本版でも、「沖縄は怒っていい」などのコメントが投稿されている。
沖縄の人に言いたい、日本から独立すべきだと。明らかに、民主主義を無視したやり方をしている。もっと怒って良いと思う。自民党の議員もひどいものだ。民主党をバカにしたが、自民党だって、選挙公約していることをあっさりと反故にしている。これじゃ、選挙民はやっていられない。せめて、良心があるのなら、心変わりした議員は、辞職し、再選挙で民意を問うのがすじというものだ。沖縄に基地が集中していることは事実であり、このことに日本国民として責任を感じている人たちは大勢しるはずだ。それこそ、トップ判断で、基地の分散化をするべきだし、そのことにアメリカは反対できないはずだ。
差別というより、無関心に近い無意識的な無視でしょう。これは、足を踏まれる側に対する足を踏む側の無関心のようなもので。
そしてその一方で本土人には沖縄列島が、中国軍を東シナ海に封じ込めるために必要な場所という認識もあると思います。だから”だって、しかたないじゃないか”という程度で、”思考停止”してしまう。
問題はそこから先なのではないでしょうか。
そこから先、私たちに何が出来るのか。心を込めて沖縄の人たちと一緒に沖縄の住民になった気持で考えること。その一体感の無い、疎外感こそが、沖縄の人たちの感じる憤りの根っこにあると思います。
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