ウォルマートはその巨大な駐車場で、人々が車中に泊まることを許可している。写真家のノーラン・コンウェイ氏は、この「米国の共同キャンプ場」に入り込み、現代のノマドたちと、その住まいを撮影した。
コンウェイ氏は米ハフィントンポストのインタビューで、「南西部を旅していたときに、車の中で生活する、流れ者らしき人々がいることがわかってきた」と説明する。
コンウェイ氏はアリゾナ州フラッグスタッフで、駐車場の住人たちに話を聞き、できればその住まいの生活を撮影しようと、彼らに接近してみた。
「彼らが朝に起きて、トイレに行くまで待ってから、近づいて話しかけることにした」とコンウェイ氏は説明する。「自分の車に住んでいる人は、なにかと防御的になっている。どういうやり方がエチケットなのか本当のところはわからないが、訪問のルールが確立されている住宅とは異なるのだ。そこで私はいつでも、彼らが車を出るまで待った」
「みんなが目を覚ましてきたときは、まだかなり暗かった。私が近づくと、ほとんどの人が怖がっているようだった。同じく私も少しおびえていた。その時、ひとりの紳士がついに私を車の中に招き入れてくれた。彼は私に、シリーズで写真を撮るといいとすすめてくれ、米国中のすべてのウォルマートの位置がわかるアプリがあり、ダウンロードできると教えてくれた」
ウォルマートに一時的に住む人たちの顔ぶれは多彩だ。孤独な流れ者や、車で長旅中の若者から、家族全員という者までいる。
被写体になったジョアンヌ・シンプソンさんは、コンウェイ氏にこう語っている。「私たちは、持ち物をすべて売り払って、自分たちのアメリカンドリームを見つけることに決めたんです」。
コンウェイ氏が撮影した全員が楽観的だったわけではない。「精神障害を抱えている人もたくさんいた感じだ」とコンウェイ氏は述べる。「彼らの多くはちょっと寂しそうに見えた。そこにいると、私もまさに似たような気持ちになった。それでも、彼らの話は心が惹かれるものばかりだった」
[Priscilla Frank(English) 日本語版:緒方亮、合原弘子/ガリレオ]
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