経常収支が9カ月ぶりに赤字転落、貿易赤字の拡大で
財務省が9日発表した国際収支状況は10月の経常収支が1279億円の赤字となった。経常赤字への転落は今年1月以来、9カ月ぶり。原粗油や液化天然ガスなどの輸入が増え、貿易赤字が1兆0919億円と10月として過去最大に膨らんだことが響いた。
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10月の貿易、サービス収支は1兆4055億円の赤字だった。自動車や軽油などの輸出が増える一方、原粗油などの輸入の増加が上回ったためだ。同月の貿易収支は1兆0919億円の赤字と、前年より赤字幅が6406億円拡大し、10月としては過去最大となった。
所得収支は1兆3615億円の黒字と前年比では9.1%増えた。ただ、貿易収支の赤字を補いきれず、経常収支そのものは1279億円の赤字と、9カ月ぶりに赤字に転落、ロイターの事前調査1530億円の黒字(予測中央値)に届かなかった。
財務省によると、季節調整済みの経常収支は593億円の赤字と、前月の1252億円の赤字よりはその幅を縮小したが、調整後の赤字が2カ月続くのは今回が初めて。「国内外の経済情勢や為替動向に左右されるため(見通しについて)確たることは言えないが、今後の動向を注視したい」(同省幹部)としている。[東京 9日 ロイター]
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