「安倍首相は危機管理意識が薄いのではないか。」
外交・安全保障政策の司令塔となる日本版NSCの設立など、国家の危機管理体制を整備することに意欲を燃やしている安倍晋三首相であるが、首相自身の危機管理意識が薄いのではないかと批判されている。なかなか公邸に引っ越しをせず私邸から通う安倍首相に対し、いざというときに15分以内に、首相官邸に参集できないのではないのかというのだ。
■官邸スタッフは2km以内に居住、安倍首相は「バイク通勤」もあり得る?
11月5日に開かれた衆議院国家安全特別委員会で、民主党の近藤洋介議員は官邸スタッフが官邸から2km以内の公邸に住んでいることと比較し、安倍首相が官邸から8km離れた私邸に住んでいることがおかしいと批判した。
国家公務員宿舎法では、特定の職務にあたる職員は、勤務地に近接する場所に居住する必要があると定めている。非常災害が発生した場合にも、すぐに参集出来るようにするためだ。そのため、内閣危機管理監や官房副長官補などのスタッフは、官邸から2km以内に住む対象となっている。
また近藤議員は、菅義偉官房長官や小野寺五典防衛大臣、岸田文雄外務大臣らは官邸から徒歩6分程度の「赤坂議員宿舎」に住んでいることを例に挙げ、日本版NSCの4大臣会合に出席するとされる4人のうち、安倍首相だけが8kmも離れた場所に私邸に住んでいることを批判した。
菅官房長官は、危機管理のキモは「緊急事態が起こったときには、第一報を速やかに把握することや、迅速な初動体制などが重要」としながらも、安倍首相が公邸に住まないことについては、「例えばオートバイで移動することなどを含め、総理が公邸に住んでいようがいまいが、どんな事態があっても15分以内に官邸に来ることができるように、体制を整えている」と回答。首相が公邸に住まないことについて、問題ないとの認識を示した。
■「盗聴対策」ではないかとの意見も
安倍首相が公邸に住むことの重要性については、野田元首相も自身のブログで指摘している。
しかし、野田元首相のブログ記事に関するニュースをハフポスト日本版でも紹介したところ、「財政面でも公道の警備費は馬鹿にならない」と、安倍首相は公邸に住むべきだとする意見もあったが、公邸に住めない理由があるならばしょうがないとする意見もあった。
疾患のためだからしょうがないのでは?
公邸の設計が外部に知られているならば、警備上安全とはとても言えないと思います
盗聴器でも仕掛けたんじゃ無いの?
菅政権の時に、官邸に上げた報告がことごとく韓国に漏れていて、
官僚が、官邸に一切報告しない時期がありましたが
それを警戒してるんじゃ無いですかね
■「犬の世話」が理由ではないか?との見方も
安倍首相が公邸に引っ越さないのは、安倍首相夫人の昭恵さんの意向ではないかとする見方もある。
引っ越しが決まらない大きな原因といわれているのが昭恵夫人の意向だ。首相の地元の山口で米作りに携わったり、東日本大震災の被災地支援に取り組んだりと、首相に引けを取らないほどの多忙ぶりで、「引っ越しにあまり乗り気ではない」(官邸関係者)という。第1次政権時にも話題になった昭恵夫人がかわいがるミニチュアダックスフントの愛犬、ロイの世話をどうするかという問題もある。
(MSN産経ニュース「【名言か迷言か】“決められない”公邸引っ越し、原因はアノ人の意向?」より 2013/4/6 07:00)
安倍首相も大の犬好きで、愛犬ロイは大切な家族の一員のようだ。しかし、第1次安倍政権の際にも、愛犬とは公邸では一緒に住まず、ロイは私邸に留守番となった。この理由について安倍首相は、2012年2月に自民党の動画番組に出演した際に「環境が変わると良くないから」と話している。
同番組では、首相公邸に蛇が出ることも紹介。「庭に(犬を)放すと、グルグルっと巻かれちゃうんじゃないかと思ってね」と話し、愛犬を可愛がっている様子がうかがわれた。
■増え始めた「公邸宿泊」
しかし、このような状況が変わるかもしれない。安倍首相は11月に入って以降、1日、2日、3日、6日と、既に4日も公邸に宿泊しているのだ。
首相は第1次政権時代、就任から約2カ月後に公邸入りした。昨年12月の再登板後は公邸には入らず、私邸から通勤。8月末、翌日の人間ドックに備えて初めて公邸に宿泊した。9月も1回だったが、10月になると宿泊回数は6回に増え、今月も既に4回を数えている。
(時事ドットコム「安倍首相、増える公邸泊=引っ越しは夫人同意せず?」より。 2013/11/09-06:12)
今後、首相が公邸住まいに変わることはあるのだろうか。愛媛新聞は、私邸住まいの現状を懸念し、次のように皮肉った。
日本版NSC創設や、特定秘密保護法案の成立に前のめりの首相。安全に対する危機感をあおる割に、足元の備えは心もとない。万一、有事に自ら参集が遅れたら…。それも秘密にするのかも。
(愛媛新聞ONLINE「首相の危機管理」より 2013/11/08