テレビやラジオで流れる楽曲の著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)について、東京高裁は11月1日「他業者の新規参入を排除する効果がある」と認定した。これは、著作権使用料の一括徴収方式が独禁法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、適法とした公正取引委員会の審決を取り消した。47NEWSが以下のように報じている。
東京高裁は1日、「他業者の新規参入を排除する効果がある」と判断し、適法とした公正取引委員会の審決を取り消した。独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、事実上審理を公取委に差し戻す判決。公取委側は上告を検討する。
(47NEWS『音楽使用「新規参入排除」と高裁 JASRAC徴収方式めぐり」』2013/11/01 18:39 )
今回の裁判で、問題となったのは放送局側がJASRACに一定額を支払えば管理曲が使い放題になる「包括徴収」方式。JASRACはこの方式を使って、業界シェアが9割を超えているが、これが「独占禁止法違反にあたる」として、2009年2月に公正取引委員会が排除措置命令を出している。これを。JASRACはこれを不服として審判を請求。JASRACはこれを不服として審判を請求。2012年6月の公取委の審決で、排除措置命令は取り消された。
この「取り消し」は違法だとして、ライバル企業の著作権管理会社「イーライセンス」が取り消しを求めて訴えていた。MSN産経ニュースでは以下のように報じている。
飯村裁判長は、包括徴収方式は楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収するため「テレビ局などがイー社への楽曲利用料の支払いを経費の追加負担と考え、イー社管理の楽曲の利用を避けた」と指摘。同方式が「イー社の事業活動の継続や新規参入を著しく困難にしたと認められ、他の事業者の事業活動を排除する効果を持つ」と判断した。
(MSN産経ニュース『JASRACの使用料徴収方式 「他業者の参入排除」と高裁』 2013/11/02 00:18)
ただし、肝心の独禁法違反の有無については、今回の判決では確定的な判断を下さず公取委に下駄を預けた格好となった。
ただ、独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、排除効果以外の争点は「公取委が改めて判断すべきだ」とした。(同上)
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