10人のうち8人以上のアメリカ人が仕事でストレスを抱えていますが、ストレスを除くために必要な時間を取っていません。アメリカ人雇用者の81%が週末に仕事のEメールをチェックし、55%が午後11時以降に自分のメールボックスを見ていると、イギリスの調査会社オピニオンマターズの調査にありますが、3分の1が仕事のEメールに15分以内で返信しているそうです。
私たちの多くは、たいてい、仕事とレジャーの間のグレイなゾーンで生活を送っています。仕事をしているときでも十分集中していません。スマートフォンやEメールの着信通知、ソーシャルメディアがいつも私たちの注意を奪おうとしています。週末に「リラックスしている」ときでも、まだ仕事とつながっています。しかし、週末を賢く過ごすことができれば、より幸せで生産的になれるでしょう。
「金曜日の午後6時にビールを飲んでから月曜日の午前6時に目覚まし時計が鳴るまでには60時間あります」と『168時間』の著者ローラ・ヴァンダーカムはアメリカのビジネス誌ファーストカンパニーのブログに書いています。「これは楽しんだり、リラックスしたり、そしてもっと大事なことですが、バッテリーを充電するのに十分な時間です。今日の競争が激しい世界で成功する人は、すばらしい週末が仕事日の成功の秘訣だと知っています。あなたもリフレッシュできて、疲れ果てたりがっくりしたりしない週末が欲しいですよね」
もちろん、週末をすべてリラックスや充電に使うことが望ましいです。しかし、休日の間に仕事を片付けなければならないときには、正しい取り組み方があります。
1時間で仕事を手早く片付ける
週末の間に仕事のEメールをすぐに片付ける。特にそれが上司からのものであれば、その場ですぐに返信しないといけない場合がありますし、たいていの従業員はそうしています。労働者の3分の2近くが、上司が週末の間にEメールを送ったら返信が来るのを待っていると言っているという、アメリカのコンサルティング会社ライトマネジメント社による2011年の調査をフォーブスが伝えています。
世界最大のカーペット製造会社インターフェイス社CEOのダニエル・ヘンドリックスはニューヨーク・タイムズに、かつて当時の上司が「週末にオーバーワークになるくらい仕事をすればいい」とひらめいた時には、自分はいつも働きづめだったと語っています。
「会社は新しく、本当にカリスマ的で精力的な社長を私の上司として採用しました」とヘンドリックスはニューヨーク・タイムズに語っています。「あるとき彼が日曜日にオフィスにいた時に言ったのです。『私が日曜日にここにいるときはいつも君も仕事をしてるな。5日間で仕事を仕上げられない人間は感心しないよ。本当にそう思う。バランスの問題だ』と」
週末にリラックスできないときには、仕事日のストレスから回復するのが難しくなります。解決策は? 72時間のオフの最中にどこからでもEメールを送る代わりに、土曜日か日曜日、一気に全部を片付けるための1時間を確保して、週末の残りをリラックスのためにとっておくのです。スケジュールをしっかり守って、決められた時間以外にメールボックスをのぞこうという気持ちに打ち勝ちましょう。
自分のエネルギーを意識すること
アメリカのコンサルティング会社エネルギー・プロジェクトのCEOで『我々の仕事の仕方は仕事ではない』の著者であるトニー・シュワルツによれば、自分の行うことすべてをきちんと意識できれば、仕事にも個人的生活にも有益であるということです。
「あなたが仕事をしているときには本当に仕事をしている。そして、リフレッシュや充電しているときには本当にリフレッシュしているということだ」と、シュワルツは6月のハフィントンポストのサード・メトリック会議で述べています。
日曜日の夜までおいておく
成功しているCEOやビジネスリーダーの多くは、特別に1時間、あるいはもうちょっとまとまった時間を仕事のために確保して、週末の残りの時間は仕事から完全に離れることで、これを実行していると言っています。日曜日の夜にやる人が多いようです。そうすれば、追いついたという実感をもって月曜日の朝に仕事を始めることができます。しかし、静かに仕事ができるちょっとした時間が確保できれば同じ効果があるでしょう。
「私はすべてを日曜日の夜までおいておきます」と、アメリカのウェブ調査会社サーベイ・モンキーCEOのデイブ・ゴールドバーグは5月にビジネスインサイダーの取材で語っています。「もし土曜日の午後に私がEメールを送り始めると、社員は同じように土曜日の午後か日曜日の朝までには返信なければならなくなりますから」
電話のEメール機能を無効にする
仕事上許される場合には、スマートフォンのEメール機能を無効にすることで、自宅のコンピューターで決められた時間だけにEメールを送信し、週末の仕事に確実に意識を集中することができます。常にEメールの着信通知が電話に表示されるようにしておくと、それに応答しようという気持ちになりがちです。
「私たちはこのちょっとした通知の中毒状態になっています」と『Facebookダイエット』の著者であるジェミニ・アダムスはハフィントンポストに語っています。
従業員を仕事から切り離す
ゴールドバーグは管理者がEメールの送信を手控え、従業員が週末に仕事から離れることができるよう考えることを勧めています。賢明な上司はそうすることで実際に生産性を高めることができることを知っています。
「週末にEメールを送らずにすむのなら、送らないことです」とライトマネジメント社上級副社長のモニカ・モローはフォーブスに語っています。「下書きの形で作っておいて、月曜日の朝に『送信』ボタンを押せばよいのです」
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