非常に強い台風27号は、今週末には西日本や東日本の太平洋側に接近、四国から関東に上陸する可能性も出てきた。朝日新聞デジタルによると、10月に入ってから日本に近づく台風は27号で5個目で、観測史上最多。10月21日には台風28号も発生し、日本に近づく恐れがある。秋になってからも相次ぐ台風。なぜ、今年は日本に近づく台風が多いのだろうか。
気象庁のデータによると、今年8月までの台風発生数はほぼ平年並みの15個。しかし、9月に入って急増し、平年4.8個を上回る8個が発生した。10月に入ってからは台風28号を入れて5個目。年間の発生数も2012年25個や2011年21個、平年の25.6個を上回り、1994年以来19年ぶりの30個超えの可能性も出てきた。(発生数が最も多かったのは1967年の39個)
日本に接近する台風の数(台風の中心が300km以内に入った場合)は例年7~9月が最も多いが、今年は7月が1個、8月が2個と少なかった。10月に日本に近づく台風の数は平年で1.5個。これまで最も多かったのは1955年と2012年の4個だったが、今年はその数を上回る。
■台風が多いのは、高い海水温が理由
台風は主にフィリピン東方や南シナ海の海上で、積乱雲が多く集まることで発生。台風の発生しやすい条件は海面水温が26~28度以上が目安とされる。
気象研究所の和田章義主任研究官は、今年多かった理由について、赤道近くの海水の表面温度が例年より1度高かったことを挙げる。さらに、別の水域での水温も今年9月は高かったため、勢力が増したという。
台風は温かい海の北西側に生まれるが、水温が高いと多くなる。台風はそこ(赤道付近)から北西に進み、フィリピン東沖を通る。例年なら、夏に通る台風などが海水をかき回し、深く冷たい水と混ざるため、水温が下がる。ところが今年は、ここの水温も9月は高かった。台風は温かい海を通ると力を強める。
(朝日新聞デジタル 「10月の台風接近、最多5個 高い海水温が原因か」2013/10/22 0:06)
■強い太平洋気圧と偏西風も影響
日本に近づきやすい気象条件も加わる。太平洋高気圧が例年より強く張り出しているため、発生した台風が高気圧の縁に沿って北上。さらに、偏西風が南下せず、日本のはるか南で東に流されるはずの台風の北上を助けているという。
前線は偏西風の南側にできやすい。偏西風が北にとどまっているため、前線のできる位置がちょうど日本列島に重なる。気象庁気候情報課の藤川典久予報官は「前線に台風の南風が流れ込むと大雨になりやすい。秋の台風の大雨パターンだ」と指摘する。
(朝日新聞デジタル 「10月の台風接近、最多5個 高い海水温が原因か」2013/10/22 0:06)
■台風27号の進路は?上陸すれば史上3番目の遅さに
台風27号は強い勢力を保ちながら、23日から24日にかけて、大東島地方に近づく見込み。その後は進路を東よりに変え、週末にかけては四国から関東に上陸する可能性があるという。tenki.jpによると、1951年以降、発生した台風は1648個のうち、10月以降に日本に上陸した台風はわずか12個。台風27号が上陸すれば3番目の遅さになるという。
また、台風28号と近づくと、「藤原効果」で速度や進路が大きく変わる可能性がある。
気象予報士の斎藤恭紀さんは「日本列島どこでも集中豪雨が起きてもおかしくない状態に。台風の上陸の有無にかかわらず、丸3日降り続ける。避難勧告出たらすぐに行動を」と呼びかけている。
tenki.jpによると、地域ごとの警戒すべき期間は次の通り。
沖縄や奄美
23日から風が吹き荒れるでしょう。この後、台風が進路を東よりに変えますが、転向点(台風が進路を変えるところ)では、台風のスピードが遅くなります。そのため、強い風が長い時間続く恐れがあります。
西日本と東日本
雨のピークは2回あります。
まずは、木曜から金曜にかけて。台風が接近する前から湿った空気が流れ込むため、九州南部は活発な雨雲がかかりそうです。台風がまだ遠いからと言って油断はできません。短い時間にザーッと降る雨に、ご注意下さい。
土曜から日曜にかけてが、2回目のピーク。週末のお出かけは、大雨で交通機関に影響がでてしまうかもしれません。
さらに、風は西日本では土曜日、東日本では土曜日から日曜日に強まる予想です。
北日本
大雨のピークは、台風が接近する前。金曜日に雨が強まる予想です。台風は、南の海の出来事と思いがちですが、北日本でも湿った空気や気圧の谷の影響を受けて、活発な雨雲がかかります。台風から離れていても、雨の降り方に、ご注意下さい。
(tenki.jp 「台風27号、大雨・強風の警戒期間」 2013/10/22 15:51)
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