チェルノブイリ原子力発電所で事故が起こったのはおよそ27年前のことだが、その一帯には今でも、驚くほど放射線量の高い「ホットスポット」が点在している。
ウィリス氏は2011年にチェルノブイリを訪れ、そこでの発見について、YouTubeに動画投稿した。このとき同氏は、チェルノブイリ原子力発電所の5号炉の周囲を探索中にホットスポットを見つけ出し、その地中から、塩粒ほどの大きさもない小さな破片を発見した。
ウィリス氏は、いくつかの基本的な調査を行った結果、この微小な物質はおそらく炉内にあった核燃料の破片であり、1986年に4号炉が爆発した際に飛び出したものだと結論した。
ウィリス氏が米国版ハフィントン・ポストに寄せたメールによれば、この破片の放射線量は高いものの、近寄らないようにさえすれば、ただちに人体に被害を及ぼすレベルではないという。「このようなかけらを、食べたり吸い込んだりすれば問題だ」と、同氏は警告する。「だが、体の外にある限り、それほど問題ではない」
ところで、日本の福島第一原子力発電所では、史上2番目とされる大規模な原子力事故が起こり、今も収束していない。福島原発の周囲では、この動画のような破片は見つかるのだろうか。
ウィリス氏は次のように述べている。「福島の事故は、チェルノブイリとは非常に異なった形で起こった。(中略)福島原子力発電所の周囲でこうした核燃料が見つかることはないだろう」。同氏はさらに言う。「福島は、いまだに状況の把握ができていない状態だ。実際のところ、事故自体が今でも続いているのだ」
詳しくは、上の動画を見てほしい。(動画では、この破片のガンマ線線量当量は1時間あたり60ミリレム(0.6ミリシーベルト/h)としている)
[Ryan Grenoble(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]
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