下の画像は、30代アメリカ人男性の平均の姿だ。
それほど悪くないって? では、日本、オランダ、フランスの同年代男性と比較してみよう。
日本人男性の平均は、身長171.4cm、ウェストサイズは82.9cm。
アメリカ人のウェスト周りが膨らみつつあるというニュースに驚きはない。とはいえ、アメリカ人男性と他国男性の平均体型をこうして比較してみると、米国での肥満拡大が浮き彫りになる。ペンシルベニア州ピッツバーグを拠点に活動するアーティスト、ニコレイ・ラム氏がこの画像を作成した意図は、まさにそこだ。
「私たちアメリカ人の姿を鏡に映したかった」。米国版ハフィントン・ポストに寄せたメールでラム氏はそう語った。「アメリカ人は、自分の国が世界一であると自慢したがる。とはいえ、どうみても、ライフスタイルも健康管理も、他国のほうが優れている」
前面からの画像もご覧いただきたい。
次は、横からの画像だ。横からだと、お腹の出っ張りがよくわかる。左から2番目がアメリカ人男性だ。
平均的なアメリカ人男性のボディマス指数(BMI)は29で、日本人男性(BMI23.7)、オランダ人男性(BMI25.2)、フランス人男性(BMI25.55)を大幅に上回る。(WHOではBMI25以上を「標準以上/前肥満(overweight)」、30以上を「肥満(obese)」としている。日本肥満学会では、BMI22を標準体重としており、25以上を肥満としている)。
ラム氏はこの画像を、BMI数値と写真を使って作成した。また、体型の正確性に関しては、人体動作シミュレーションの専門家であるミシガン大学交通研究所のマシュー・リード博士の協力を得たという。
ラム氏が作成した3Dモデルは、大学のほか、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)、フランス国民栄養健康調査(ENNS)などの政府機関から収集した多数の男性の身体測定値を基にしている。
ラム氏いわく、「オランダ人を選んだのは、世界最高の平均身長を誇り、どう考えても何らかの健康対策を行っているから」だ。日本は長寿国として有名だし、フランスについては、「多くのアメリカ人は何かとフランス人と比較したがるから」だという。
オランダ人や日本人は、なにか健康に良いことを行っているのだろうか。
専門家は、遺伝子や環境、社会的要因が複雑に絡み合った結果であろうと推測している。整った医療制度、適切な食生活、そして、より活動的なライフスタイルこそ、オランダ人が長身で、日本人が長生きである理由だとされている。
(日本肥満学会では、BMI22が統計的に最も病気にかかりにくいとしている。なお、厚生労働省の研究班によると、太り気味(BMI:25以上30未満)の人が最も長命である結果が得られたという)。
(h/t The Atlantic)
[Macrina Cooper-White(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]