iPhone 5sと5cの2機種が発売されてから一週間。ドコモの新規参入により、大手3社すべてがiPhoneを取り扱うことになり、どの通信会社を選ぶかは「通信の快適さ」がキーになる。
姉妹誌のEngadget日本版は山手線、地方の高速道路とサービスエリア、ゲームショウの会場、オフィス街、地下鉄の駅などでスピードテストを行い、3社の回線品質を比較した。
【Engadget日本版のスピードテスト記事】
詳細はEngadgetの記事をご覧いただくとして、これらの結果を総合した表を記事の下に掲載した。
結果を簡潔に表現すると、「安定感のau、暴れ馬なソフトバンク、未知数のドコモ」といったところになるだろうか。
数字から見ると、プラチナバンドを使ったLTEで先行するau有利、という専門家の下馬評通り、場所を問わず安定した通信ができたのはauだった。一部で苦戦も予想されていたソフトバンクは、場所によって品質の差があるため「暴れ馬」としたが、ハマったときの速度は圧倒的で、平均値を押し上げた。2GHz帯と1.7GHz帯という、プラチナバンド以外の周波数帯でも戦えることを示した。
一方、もっとも注目されたドコモの結果が振るわなかった点は注目に値する。3Gの時代からエリアの広さや通信品質でブランド力があったが、LTEはまた別物、という印象を強くした。山間部や離島での3Gがどれだけつながるか、という軸で見れば優位性はあるかもしれないが、現時点でのLTEによる通信品質は他社に先行されていることは明らかだ。
■一年後にはまたガラッと変わっている可能性
だが、今回の結果はあくまで現時点のものだ。今回苦戦したドコモは、大都市圏を中心にさらに高速なLTEのエリアを拡大する予定があるし、ソフトバンクもまた、2014年からプラチナバンドでLTEを展開予定。さらに今回のiPhoneではサポートされなかった規格のLTEも推進している。両社ともに今後「大化け」する可能性は十分にある。
今回、auが良い結果を出したのは、新しいiPhoneがプラチナバンドのLTEをサポートしたこと、auがそのプラチナバンドのLTEで人口カバー率97%をすでに達成していること、の2点が主な理由だ。auは今後、さらにこのエリアを拡大し、2014年3月末までには人口カバー率で99%を目指しており、LTEエリア競争においてリードをキープしたい構えだ。
iPhoneの発売直後、どれだけの人が通信会社を乗り換えたのか、現段階では定かでない。「iPhone三国志」の第一ラウンドの結果は、10月初旬に発表される、9月の契約者数のデータに注目が集まるところだ。
下り通信の平均
上り通信の平均
PING値の平均
※もしあなたがiPhone5s/5cをお持ちであれば、是非あなたの体感もコメント欄でお聞かせください。
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