歩きながらスマホを操作する、いわゆる「歩きスマホ」をしていた男性が、「盗撮をしていた」と事実と異なる言いがかりをつけられ、金銭をだまし取られる事件があった。
警視庁によりますと、ことし7月、新宿駅近くの路上でスマートフォンを操作していた36歳の会社員の男性が「盗撮していただろう」と男に言いがかりをつけられ現金13万円を脅し取られました。
また先月には、JR新宿駅構内の通路で26歳の会社員の男性が「スマホで盗撮をしていただろう」と別の男に言われ、現金50万円を脅し取られそうになりました。
男性2人はスマホの画面は見ていましたが、盗撮はしていませんでした。
(NHKニュース「「歩きスマホ」に盗撮と言いがかり 恐喝被害」より 2013/09/17)
今回の事件の背景となった歩きスマホだが、これを原因とした事故が年々増えている。従来型のガラケーに比べ、画面が大きくアプリケーションも豊富で、情報量の多いスマホは、没入感が高く、周りの状況が把握しづらくなるためだ。
JR四ツ谷駅(東京都新宿区)で5月27日午後、携帯電話を操作しながらホームを歩いていた小学5年の男児が誤って線路脇に転落し、けがをする事故が起きた。国土交通省によると、携帯やスマホなどを使っていた乗客がホームから転落した事故は平成22年度に全国で11件発生、23年度には18件に増えている。
(MSN産経ニュース「歩きスマホ「他人事ではない」 ドコモ、駅や学校でマナー啓発」より 2013/08/15)
歩きスマホをめぐっては、事故増加を受けてNTTドコモが啓発広告を出したり、千代田区がJR東日本や東京メトロなど鉄道事業者に、対策を要望するなど、社会問題となりつつある。
現在のところ歩きスマホを取り締まる法律や条例はないが、Yahoo!ニュースが行った意識調査では、「「歩きスマホ」の規制は必要だと思う?」という質問に対して、49,747票のうち75%の37,290票が、「必要だと思う」と答えている。
歩きスマホの規制について落合洋司弁護士は、課題が多いと話す。
『他人への迷惑』をどこに求めるか、つまり何を要件とするかは、明確で合理的なものとして決めておく必要があります。
たとえば、山の中の人通りもない道路で歩きながらスマホを使用する行為を規制すべきと考える人は少ないでしょう。したがって、立法技術として、かなり工夫が必要となると思います
(弁護士ドットコムトピックス「危ない「歩きスマホ」は罰金? もし法律で規制するとしたら問題点は?」より 2013/05/15)
技術面で歩きスマホに対策する取り組みもある。スマホについたカメラの映像を常時、スマホの画面に映すアプリがAndroid向けに用意されている。
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