東京電力が福島第一原発の汚染水問題の解決のために招聘したアメリカの専門家 レイク・バレット氏が、放射性物質を取り除いた汚染水は海に放出する必要があるとの考えを示した。レイク・バット氏はこれに先んじて「スリーマイルの事故よりも複雑」と話している。海に放出とはどのような考えから来たものなのか。レイク・バット氏へのインタビューを紹介する。
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福島第1原発の汚染水問題への対応で助言を求めるために東京電力
バレット氏は米原子力規制委員会の元幹部で、1979年に起こったスリーマイル島原発事故の処理を担当した経験を持つ。
同氏は、原子炉に届く前に地下水をくみ上げる作業を始めるべきだとし、地下水とともに、放射性物質を取り除いた汚染水は海に放出する必要があるとの考えを示した。
「来年初めには水は除染され、放出の準備が整う」としている。
同氏は、汚染水の除染が計画通りに進めば、福島第1原発近海で取れた魚を孫にも安心して食べさせると述べ、安全性に自信を示した。だが東電は信頼性を失っているため国民の懸念を払しょくできないとし、東電が安全性を強調するだけでは不十分との考えを示した。
また合意形成を重視する日本の意思決定スタイルは、現実的な措置を先送りするリスクをはらむと指摘。「東電は国民や地元の漁業関係者などへの負担を懸念して貯蔵タンクを増やし続けているが、これは問題を先送りしているにすぎない」とし、「今が問題に取り組むべき時」と主張した。
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東電の広瀬直己社長に対しては「海外専門家の技能を日本のシステムに融合させることを提言した」とし、問題解決にあたり海外専門家により協力を求めるべきとの考えを示した。
[東京 13日 ロイター]
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