9月10日に発表された新製品「iPhone 5s」と「iPhone 5c」について、アップル社の株主は誰もがマッケイラ・マロニーさんのようになったようだ。つまり、「不満顔」だ。(マロニー選手は、ロンドン五輪で金メダルを獲得した17歳の女子選手。口元をキュッと曲げた「不満顔」で有名)
「Yahoo! Finance」から引用した下のグラフを見ればわかるように、アップル社の株価は、同社幹部が新製品の発表を始めた午後1時頃(米国東部時間)から神経質な動きを見せ始めた。しかし全体的に見れば、それまでと大きな違いはなかった。
しかし、発表が終わりに近づいた午後2時過ぎには売りが大きくなり、株価は1.5%下落した。これを受けて、「Business Insider」はアップル社の株価が「暴落」しているとツイートしている。
最もひどい時には3%も値を下げたものの、その後持ち直して2%弱の下げ幅となった。それでも、切りのいい数字を好むウォール街の人たちが重視する500ドルという額にはやや足りない。
伝えられるところでは、株主らは、廉価版のiPhone 5cがアップル社に新たな利益をもたらすほど安くないことを不安視しているという。それは、株価が下落した要因のひとつだろう。
ただし、全体的に言えば、今回の株価の動きはウォール街では標準的な動向にすぎないかもしれない。iPhone発表のような大々的に報じられるイベントの数日前に株を買い、イベント当日に売るという動きのことだ。
アップル社の新製品発表ほど派手に取り上げられるニュースは、他にほとんどない。従って、「噂で買って、事実で売る」(事実として発表された時には、織り込み済みで上昇余地がないため売った方が良い)というアプローチは当然のことになる。アップル社株を好むヘッジファンドは多いのだ。
■iPhone 5s
■iPhone 5c
[Mark Gongloff(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]