9月8日、2020年の夏季オリンピック開催地が東京に決まった。このオリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」は2018年度に完成予定だ。
新国立競技場は、開会式、閉会式、陸上、サッカー、ラグビーの会場として使用される予定。1964年の東京オリンピックに合わせて作られた現在の国立競技場を建て替える。収容人数は8万人、総工事費は1300億円。屋根は開閉式で雨天にも対応する。またサッカーなど球技開催時は陸上トラックの部分に観客席が移動する仕組みを備えている。2019年に開催される、ラグビー・ワールドカップでの使用も決定している。
デザインは、世界的な建築家・安藤忠雄さんが審査を務めるコンペで決まった。イラク出身でロンドンを拠点に活躍するザハ・ハディドさんによるもの。曲線、直線をダイナミックに扱う斬新な作風で、ロンドンオリンピックで使用された水泳センター、スコットランドのグラスゴーにあるリバーサイド博物館、イタリア国立21世紀美術館などを設計した。2004年、「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を受賞している。
建設計画については、予算オーバーを危ぶむ声もあり、計画の一部見直しを運営側とハディドさんで話し合ったという。
しかし「デザイン通りに造れば2千数百億円になるかもしれない」と関係者は言う。競技場を管理、運営する日本スポーツ振興センター(JSC)幹部は8月中旬、ロンドン在住のハディド氏と、デザインの大枠は変えずに一部をとりやめたり、資材を減らしたりして費用を減らす方策を話し合った。招致の成否で状況は変わると伝えたという。
(朝日新聞デジタル「新国立競技場、工費かかりすぎる? デザイン一部変更も - スポーツ」より 2013/09/05)
■今の国立競技場は来年取り壊し
1964年の東京オリンピックをはじめ、さまざまな名勝負の舞台となってきた現在の国立競技場は来年の7月から、解体工事が始まる。聖火台や貴賓室、ロッカールームなど通常、一般客は入れないスポットを見学できるスタジアムツアーが定期的に開催されている。ツアーはホームページから申し込み可能。料金は大人1000円、子供500円、未就学児童は無料。
見学ツアーは、取り壊し1年前となる8月から「SAYONARA 国立競技場」と銘打たれ月7~10日間、1日3回と回数を増やされる。同博物館を皮切りに、競技場のスタンドを一周。聖火台や貴賓席などを見学した後、グラウンドに降りて、選手の目線でスタンドを眺められる。選手控室など通常、関係者しか入れないスポットの案内がめじろ押しの約1時間半だ。
(東京新聞「:名勝負の舞台見納め 国立競技場ツアー(東京都新宿区)」より 2013/08/01)
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