中国外務省の李保東外務次官は、9月にロシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議での日中首脳会議について、「対話の土台ができていない」と日本側の姿勢を批判、開催は困難との見方を示した。
中国国営の新華社通信中国版などによると、李次官は8月27日に開かれた記者会見で沖縄県・尖閣諸島の領有権をめぐる問題に言及。「日本側は歴史や客観的事実を無視するだけではなく、挑発的な行動を示している」と主張し、「対話を拒否し続けているのは日本側だ」と述べた。
時事通信によると、
「中国外務省の李保東次官は27日の記者会見で、ロシアで9月5、6両日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議における日中首脳会談開催の可能性について、『対話の土台がない中で、日本が求める首脳会談の日程が決められるだろうか』と述べ、会談に応じない見通しを示した」
(時事ドットコム 「日本と首脳会談応じず=「対話土台ない」-中国 2013/08/27 12:39)
■2013年は日中平和友好条約締結から35周年の記念の年。しかし・・・
日中条約の批准書交換を終え、抱き合って喜ぶ〓小平副首相と福田赳夫首相。手前では握手する黄華、園田直日中両国外相(1978年10月23日、東京・首相官邸)(〓は登にオオザト=トウ)
日中関係の悪化に改善の兆しは見えない。昨年9月、日本政府の尖閣諸島国有化に端を発した反日デモは中国各地に広がった。デモ隊の一部は暴徒化し、日系スーパーへの破壊・略奪行為などにおよんだ。日系企業などの被害総額は数十億から数百億円にのぼるとの試算もある。
また、反日デモの発生と同時に尖閣諸島周辺に中国船が頻繁に出没するようになり、現在にいたるまで毎月のように領海侵犯が繰り返されている。27日にも3隻の中国船が侵入、日本側は在日中国大使館を通じて抗議した。
今年は日中平和友好条約締結から35周年、しかし、両国関係は1972年の日中国交正常化以来「最悪レベル」とも言われている。中国・北京では35周年を記念する公式行事は開かれなかった。
MSN産経ニュースによると、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が26日に異例の評論を掲載したという。
「中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は26日、9月上旬にロシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の場で、習近平国家主席は安倍晋三首相と『立ち話』をし、沖縄県・尖閣諸島問題などで中国の主張を直接伝えてはどうかとする研究者の評論を掲載した。日本への強硬姿勢が際立つ同紙としては珍しい論調。中国では、日本との首脳会談に応じるべきではないとの意見が依然多数を占めているとみられるが、軟化の兆しが出てきたともいえそうだ」
(MSN産経ニュース 「日中首脳に『G20で立ち話でも』中国共産党紙が論評 軟化の兆しか」 2013.8.26 12:39)
そして、再びの態度硬化。揺さぶりをかける中国に対し、安倍首相はどのような対応を取るのか注目される。
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