電気料金は下がらないのか--。
『ステーキハンバーグ&サラダバー けん』や『ふらんす亭』などを経営する、株式会社エムグラントフードサービスの井戸実社長が、8月23日に節電についてつぶやいたツイートが話題になっている。
井戸社長の冒頭のツイートは、経営者として電気料金値上げを憂う一連のツイートの一つである。
井戸社長は、これまでにも何度も電気料金の値上についてツイートを行っている。
■2013年8月のツイート
■2013年7月のツイート
■2012年5月のツイート
電気料金の値上は経営にのしかかる。ではどのようにして電気料金が決まっているのだろうか。
電気料金は、水道やガスなどの公共料金が決められる際にも使われる、『総括原価方式』と呼ばれる仕組みで決められている。
『総括原価方式』とは、製品やサービスを提供するのに必要な原価を、ちょうど賄うだけの収入になるように計算するやりかたで、簡単にいうと、電力会社がまず、人件費や燃料費、設備修繕費、将来の廃炉費用などのコストを見積もり、これに、事業報酬を上乗せしたものとなる。
この額は、電気事業法第19条に基づき計算され、経産省の許可を得なければ料金を設定できない。
このような方法が取られたのは、電力事業が巨大なインフラを必要とする事業であるためだ。設備を用意するためには、膨大な額の資金が必要であるため、参入出来る企業が限られ、独占企業によって料金を自社に都合良く設定できる状態であるとも考えられる。
また、電気事業の設備構築にかかる巨額な費用の問題もある。費用を回収するにも時間がかかるため、銀行などから資金を借りようとしても、貸し手が出てこないということも考えられ、そのため、安定的な電力供給が行われないなどの懸念かもある。
これらの点から『総括原価方式』が取られてきたが、電力会社から出されたコストの査定を、政府は正しく計算できているのか、という点や、儲けの額が決まっているため、電力会社が利潤を追求するために頑張ろうという気持ちがなくなるのではないか、などを指摘する声もある。
一方、価格を政府が決めるのではなく、市場の需要と供給の原理によって自由競争で決めればよいのではないかとする声もある。
『総括原価方式』は必要だろうか。あなたの考えをお寄せください。
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