諏訪マタニティークリニックが異常胎児を選んで「減胎手術」 双子以上の妊娠で36件

長野県下諏訪町の産科医院「諏訪マタニティークリニック」で、不妊治療などで双子や三つ子といった多胎妊娠をした後に検査で胎児の一人に先天性の異常が見つかった妊婦に対し、その胎児だけを選んで中絶をする「減胎手術」を36例実施していたことが、8月5日にマスコミ各紙が報じている。
Foetus at 20 weeks, computer artwork.
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Foetus at 20 weeks, computer artwork.

長野県下諏訪町の産科医院「諏訪マタニティークリニック」で、不妊治療などで双子や三つ子といった多胎妊娠をした後の検査で胎児の一人に先天性の異常が見つかった妊婦に対し、その胎児だけを選んで中絶をする「減胎手術」を36件、実施していたことが明らかになった。8月5日にマスコミ各紙が報じている。

母体保護法には減胎手術の規定はなく、厚生労働省の審議会は2000年に「原則行うべきではない」とする報告書をまとめている。例外的に三つ子以上の場合で、母子の健康に危険がある場合に限って手術を認めていたが、胎児の異常を理由に中絶することは認めておらず、議論を呼ぶ可能性がある。

47NEWSによると、母子の健康上の危険を避けることを目的にした減数手術は国内で1000例以上行われているが、異常が見つかった胎児を選んで中絶する例が明らかになったのは初めてだという。

MSN産経ニュースの報道によると、クリニックではこれまでに約1000件の減胎手術を実施。このうち36件は、異常がある胎児を選んで行っていた。ダウン症などの染色体異常が25件で、残る11件は胎児の腹部や胸部に水がたまる「胎児水腫」などの病気だった。

同クリニックのホームページでは、減胎手術を実施していることを公表しており、以下のように書いてある。

「減胎手術」に関しては、国の法的な位置付けはまだ明確ではありません。そこで、当病院では下記のガイドラインを独自に定め、患者さん・ご家族にも了解し宣誓していただいた上で実施します。

(諏訪マタニティークリニック「ガイドライン - 特殊生殖医療部門」)

根津八紘(ねづ・やひろ)院長は、「ひとりでも助けたいとの思いで手術を行った」と産経新聞の取材に答えており、ホームページ上で「減胎手術」を初めとした生殖補助医療について次ぎのように思いをぶつけている。

「本当にその技術を必要としている患者さんのために、私達(医師や他分野の知識人、そして一般の方々)が、今こそもう一度、心から関わり直すべき時期にあるのではないかと思います」

(諏訪マタニティークリニック「特殊生殖医療部門」)

今回の各社の報道について「赤ちゃんのことを考えるとやりきれない」「産む産まないを決めるのも親の権利では」などと、受け止める声も様々だ。

【※】異常がある胎児を選ぶ形で「減胎手術」を実施することに対して、読者の皆様はどのように考えますか?コメント欄にご意見をお寄せください。