だだをこねる子に、「言うことを聞かないと怖い鬼が来るよ!」と叱ったことがある親は多いはず。それが現実になる「おにから電話」というアプリが大ヒットしていると、朝日新聞デジタルが報じた。(06/04/2013 朝日新聞デジタル「テキメン、鬼声アプリ スマホでしつけ、大人気 読み聞かせ・泣きやませも」)
事前にこのアプリをダウンロードしておく。アプリを起動してボタンを押すと、着信音が鳴り、画面には怖い鬼のアニメーションが登場。ドスのきいた声で、「言うことを聞かないと、食べちゃうぞ~」と話し出す。子どもは怖さのあまり泣き出して、「わかったよー」と言うことを聞く。
「おにから電話」の考案者はホームページ制作のメディアアクティブ(東京都大田区)。朝日新聞デジタルによると、昨秋のリリースから5月末までに285万ダウンロードを記録。佐々木孝樹社長は秋田県出身で、男鹿地方に伝わる伝承行事「なまはげ」にヒントを得たという。アニメーションの鬼の怖さは、なまはげに匹敵し、利用者からは「怖すぎる」という声も寄せられた。最近、ほめるバージョンも加えたという。
しつけのほか、泣きやむのをやめさせるアプリや、知育教育のためのアプリなど子育てアプリが続々と登場している。世の中でこうしたアプリがヒットする背景には、核家族化が進み、子育てするのが母親だけというケースが増えて、昔なら近所のおじさんやおばさん、おじいちゃんやおばあちゃんといった周囲の大人たちが担ったしつけをアプリに担わせざるをえないといった事情もある。ただ、子どもに端末を与えてあとは見せっぱなしにするのは禁物のようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の記事は、次のように伝えている。
「脳は生後数年の間に最も発達する。人間は脳細胞1個につき約2500のシナプスを持って生まれてくる。この数は3歳までに1万5000にまで増える。そして年をとると、その数は減っていく。(中略)この時期にテレビを多く見た子どもほど、後に注意力に関わる問題を抱えやすいという。」
( ウォール・ストリート・ジャーナル 2012/05/22「幼児のiPad利用は是か非か 専門家の意見分かれる」)
記事に登場するのはテレビと子どもたちに関する調査で、タブレット型携帯端末に関するものではないが、この研究者は、子どもたちへの影響はテレビと同じようなものか、より著しいのではないかと同氏はみている。
また、小学校にあがれば、ゲームの誘惑が待っている。専門家は子どものネット依存症について警鐘を鳴らしている。
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