日本新薬株式会社は、27日、アルコール依存症の治療薬を発売したと発表した。同社が発表した治療薬「レグテクト®錠333mg」(一般名:アカンプロサートカルシウム)は、中枢神経系に作用し飲酒欲求を抑える日本初の薬剤である。
これまでアルコール依存症の治療には、「抗酒剤」と呼ばれる薬が使われていた。これは、アルコール分解酵素の働きを阻害する作用がある薬のことで、この種類の薬を服用すると、少しお酒を飲んだだけで吐き気や頭痛、動機などが起こる。簡単に言うと、お酒を飲みたいという欲求はあっても、体が受け付けないという状態にする薬であった。
今回発表された「レグテクト®錠333mg」は、お酒を飲みたいという欲求そのものに作用する。日本新薬株式会社の発表によると、すでに欧米をはじめ世界24ヵ国で販売されていたが、国内では未承認だったことから、2010年5月に厚生労働省から開発要請を受けたとのことだ。
厚生労働省の調査によると、日本におけるアルコール依存症患者について下記の表記がある。
2003年に実施された全国成人に対する実態調査によると、飲酒日に60g(純アルコール量として)以上飲酒していた多量飲酒の人は860万人、アルコール依存症の疑いのある人は440万、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されています。
(厚生労働省ホームページ「アルコール依存症」より)
なお、日本新薬株式会社は15日に、アルコール依存症チェックシートや、アルコール依存症の治療のためにかかる医療費に関する情報を提供する、『アルコール依存症治療ナビ』問いうホームページを解説している。専門医療機関のドクターからのメッセージや、断酒成功体験記など、アルコール依存症の治療に役立つコンテンツが揃っている。
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