人権問題等を扱っている国連の社会権規約委員会が、長時間労働などが原因の過労死や自殺について、日本政府に懸念を示し、対策を講じるよう勧告していたことがわかったと報じられている。
勧告の内容を産経ニュースは下記のように報じている。
長時間労働の防止を強化することや、労働時間の制限に従わない場合は制裁を科すよう求めた上で、「必要な場合は、職場におけるあらゆるハラスメントの禁止・防止を目的とした立法、規制を講じるよう勧告する」としている。
(産経ニュース 2013.5/23 13:09)
社会権規約委員会について、過労死問題などに取り組んでいる岩城穣弁護士のブログでは下記のように説明されている。
国際人権規約を批准した国に対しては、その実施状況について定期的に審査が行われ、今年は社会権規約(日本は1979年に批准)の実施状況について日本が審査される年に当たっており、今年4月30日、ジュネーブで審査が行われた。
(ブログ・岩城弁護士のはばかり日記「No.117 マー君、海を渡る!」より。 2013/5/20)
同ブログによると、今回の審査を傍聴した過労死家族の会の有志らは、社会権規約委員会との非公式・公式ミーティングの席で、父親を過労自殺で亡くしたマー君(当時小学校1年生)が書いたとされる下記のような詩を配布したそうだ。
ぼくの夢
大きくなったら
ぼくは博士になりたい
そしてドラえもんに出てくるような
タイムマシーンをつくる
ぼくはタイムマシーンにのって
お父さんの死んでしまう
まえの日に行く
そして「仕事に行ったらあかん」ていうんや
(ブログ・岩城弁護士のはばかり日記「No.117 マー君、海を渡る!」より。 2013/5/20)
ブラック企業などが社会問題化される中、「過労死防止基本法」などの法整備を求める団体もある。今後政府としてはどう取り組んでいくのか。動向が注目される。