ハフポスト、いよいよ日本上陸――。
「ザ・ハフィントン・ポスト日本版」のオープンを記念するイベントが7日、東京都内で開かれます。「ザ・ハフィントン・ポスト」の創始者アリアナ・ハフィントン氏や日本版編集長の松浦茂樹氏らが、ハフポスト日本版のねらいや特徴、アジアで初めて開設する意義などについて意気込みを述べます。
さらに、Twitter Japan代表の近藤正晃ジェームス氏、LINE執行役員広告事業グループ長の田端信太郎氏をゲストに迎え、パネルディスカッションを行います。夏の参院選挙から解禁となる「ネット選挙」について、選挙におけるソーシャルメディアの役割や可能性などをアメリカでの事例を交えながら大いに語りました。
オープニングスピーチ
■登壇者(敬称略)
・アリアナ・ハフィントン(ザ・ハフィントン・ポスト創設者、編集長)
・松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン編集長)
・木村伊量(朝日新聞社代表取締役社長)
・西村陽一(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社代表取締役)
・ジミー・メイマン(ザ・ハフィントン・ポスト・メディアグループCEO)
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アリアナ・ハフィントン氏:
みなさま、ハフィントンポストジャパンのローンチイベントにいらしていただき、ありがとうございます。私は大変わくわくしております。日本がアジアで最初のローンチとなったことを嬉しく思っています。娘のイザベラ・ハフィントンもこちらに来ています。
現在、日本が歴史上重要な瞬間を迎えている。この変革の瞬間に日本でローンチできるのを嬉しく思う。アベノミクスということで世界は日本がどう変わって行くか注目している。アベノミクスを通して投資することについて、日本のミラクル・革新がどう起きていくかをカバーできることを嬉しく思う。
しかしながら逆説的に、日本は様々な問題を抱えています。人口減少、女性の役割についての論議、働く人のワークライフバランス、悲しいことに自殺なども大きな問題となっている。これに対しての解とは何なのか、もしかしたらそれは伝統的で豊かな日本精神の中にあるのかもしれないと私は感じている。日本版ではそういった面についてレポートをし、声を集め、議論のプラットフォームとして情報を流していきたいと思っている。
ハフィントンポスト日本版は、ジャーナリスティックな形でのニュース提供もあるが、多くの声を集めるプラットフォームとしての役割も果たすことになる。政治や経済だけでなく様々な日常に関わるトピック、例えば睡眠の大切さ、ストレスの緩和、エンターテインメント、それに本や旅行などあらゆる分野についてカバーリングをしていきたい。日本から発せられた声はグローバルに翻訳されることになる。つまり、日本の声がイギリスやフランス、スペイン、ドイツ、イタリアなど、欧米の違う言語圏にも届けられ、本当にグローバルな会話が交わされるようになる。
ですから、みなさまにお願いしたい。この部屋にいる人も、ライブストリームで視聴している人も、どうぞ我々の対話に参加してください。いろんな方法でブログなどにどんどん寄稿して欲しい。私の大好きな仕事の一つがブロガーリクルーティング。そこで得られたブログをいろんなところへ高いレベルで出して行きたいと思っている。それは単なるプレゼンだけで決まるのではなく、エンゲージメント、つまり参加で質が決まっていくことになる。日本からいろんなことを発信し、日本の声を聴く。そういうことを通して日本が直面している問題への解を一緒に見つけていけるのではないかと期待している。
それでは日本版の松浦茂樹編集長を紹介したい。彼は日本ですばらしい仕事をしてきた。ブロゴス、グリーのニュースサイト。彼が編集長となってくれたことを嬉しく思います。
松浦茂樹氏:
はじめまして、ハフィントンポスト日本版で編集長を担当する松浦です。
すでにご覧になった方も多いかと思いますが、7日午前0時半に日本版サイトがオープンした。訪問していただいた方の中には、ほかのネットニュースとあまり変わらないのではないかとおもった方もいらっしゃるかもしれない。実際のところ、従来のネットニュースメディアの延長線上にあることから、見た目上は大きく変わっているところがないかもしれない。
でも違う。ここではユーザーの積極的な意見交換を目的としている。残念ながら日本のニュースメディアでは、よくないコメントが多い。わたしもこれまでのキャリア上、その責任の一旦を担っていると思う。個人的にはその状況に絶望した時期もあった。「ニュースにコメント欄は必要ないのではないか」と。
しかし、米国のハフィントンポストを見れば、月4600万人のユーザーが800万ものコメントを投稿している。そこでは、ネガティブコメントは淘汰され、前向きに意見が集約される。私はその仕組みに未来を見出しました。ハフポスト日本版でも同じようなことができるのではないか。今回、新たにニュースサイトを立ち上げるにあたって、チャレンジできるのはこの点だ。私はそう考えました。議論を引き出しやすい記事など、伝える側にもまだ工夫すべき点は多いと思う。そこもウェブの編集力の見せ所なのだろうと思う。
サイトをオープンするにあたり、色々なインタビューを受けた。一番多かったのは、「ユーザーがネット上で活発に議論することは日本では難しいのではないか」というもの。確かに、今のネットの現状では難しいと私も思う。ただ、難しいからできないというならそれまで。最初は有言実行に至らぬことがあるかもしれない。しかし私は、ユーザーのポジティブなコメントを日本版で集めて、みなさまにお返ししていきたいと考えている。
そのコメントを発信して貰う手段として、私はひとつのテーマを定めている。それは「団塊ジュニア世代に意見を発信してもらう」ということ。私自身も1974年生まれ。団塊ジュニアまっただなかです。同世代は人口ピラミッドで層が厚いにもかかわらず、その声があまり聞こえていないのではないかと思います。我々の世代が社会的責務がもっと重くなる時期、つまり10年後に向けて今から意見を集約して発信していかなければならないと思っている。
今回公開した記事には「変えるのはあなただ」というテーマで、小平市で東京都初の住民投票問題に取り組む哲学者・國分功一郎氏にインタビューをしている。彼も団塊ジュニア世代だ。
タイトルは「みんな民主主義に飢えている」。反対するだけではなくみんなで作り上げていく。反対ばかりしていては、議論は進まない。ボトムアップで世界を変えていく例になれればと考えている。ソーシャルメディアを通じて、応援のコメントもあれば厳しいご指摘もある。ポジティブに日本の言論空間を盛り上げていく場にしたい。
至らぬ点も多々あるが、日本版を「ポジティブに日本の未来を語る場」とする目標に向けてスタッフみんなで盛り上げていきたい。どうぞよろしくお願いいたします。
木村伊量氏:
お集まりいただいたブロガーのみなさま、そして報道関係者のみなさま、ありがとうございます。ハフィントン・ポスト日本版をハフィントン・ポスト・ジャパンのグループとともに立ち上げることができました。御礼申し上げます。
朝日新聞は創刊から134周年を迎えた。明治、大正、昭和、平成と時を移しながら、日本を代表するリーディングペーパーとして760万部を発行している。報道・言論機関である朝日新聞の使命や役割は時代環境が変わっても普遍であり、ジャーナリズムの旗手として読者や社会市場のニーズに答えつつ情報発信の工夫をしている。
朝日新聞は1995年8月から新聞本紙と連動する形でネット発信事業を開始した。有料会員数だけで12万人、100万人をこえるログイン会員がある「朝日新聞デジタル」を軸にして、日英中韓の4カ国語で展開している。今回、ハフィントンポストという強力なエンジンを得て、読者参加型の新しい情報発信体勢を整備して行けると確信している。
ニュース、コミュニティを組み合わせたハフィントンポストは創設から8年で米国有数のサイトに急成長した。そして確固たる地位を確立しています。アリアナさんが創業者兼編集長として今もサイトを牽引し続け、昨年にはピュリッツアー賞を獲得するなど、その影響力をさらに広げつつあります。
朝日新聞がハフィントンポストに最も期待することは、ネット上で言論空間をつくりあげる推進力だ。ハフィントンポストを彩るニュースやブログ、読者が寄せるコメント、ソーシャルメディアを通した読者の意思表示。そのひとつひとつが時代の進むべき道を照らしだしている。市民や社会の公共益を担えるのはジャーナリズムをおいてほかにない。公平性、信頼性をかねそなえた質の高いコンテンツと、その情報に接して呼応する読者の方々の肉声が、良質な言論空間を形作って行くのだと考えている。
デジタルは私たちの生活の中にどんどん入り込んできている。正しい情報は何か、信頼出来る情報は何なのか、何が自分たちの暮らしを充実させてくれる情報なのか、多種多様な情報の中のどこに真実があるのか。膨大な情報の中から取捨選択する力が必要とされています。デジタルがますます生活に欠かさない「インフラ」となっていく中で、確かな情報から紡ぎ出されるのが良質な言論空間であり、人と社会との対話の数々が私たちの暮らしや生活をさらに豊かにしていく。ハフィントンポスト日本版に求められる役割の大きさはそこにある。
日本版のキャッチフレーズは私たちの強い意思と覚悟をこめてつくった。「あなたのことばが未来をつくる」。確かな情報でつながる良質な言論空間、そこで繰り広げられる対話が、未来をつくっていく。
ハフィントンポスト日本版をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
西村陽一氏:
本日スタートした日本版で我々が目指すものは何か、それは、ユーザーのを有機的に結び付けた新しいオンライン上の言論コミュニテイだ。
私はこれまで、一読者としてハフィントンポストを読んでいた。今回改めてアリアナやジミーと話してわかったこと、それは、メディアとしてのあり方や一つのビジネスモデルを短期間で築き上げたことだ。具体的に言えば、ブログやニュースに対してユーザーの積極的な参加を促し、ソーシャルメディアで拡散し、読者をさらに増やす。そうして、ニュース、ブログ、ソーシャル、議論のコミュニティの統合を図っていったということ。朝日新聞にもオピニオン欄という名物ページがある。そこでは常に多彩で自由な議論が交わされている。近年では世界に続いて日本でもオンライン上で言論空間を作ろうという動きが具体化し、いくつか先行事例が出来てきた。私たちは、既存ネットメディアのコンテンツ編成力や情報発信力にさらに多くを求める人たち、ニュースやブログに強い関心がある人たちに向かって、ニュース、ブログ、ソーシャルを総合した本格的なオピニオンフォーラムをつくっていきたい。
すでに多方面で活躍している有名な人もいる、しかし他方で、まだ無名でもこの人の意見を知ってほしいと我々が思う人もたくさんいる。そうした方々にブロガーとして意見を表明していただき、発信をしてもらう。編集部が独自にまとめた記事も掲載されると思う。アメリカ版で面白い記事があった場合は翻訳して日本語版にのせる。米国版だけでなく国際版へ、日本のオピニオンを翻訳して発信してほしいという要望があれば、積極的に応じていきたいと思っている。
ブログやニュース記事に対して、多くのユーザーから同意や反論、再反論などが寄せられるだろう。そうしたユーザーの肉声はソーシャルメディアとも連動していく。少数派の意見も大切にする、前向きで建設的な議論をオンライン上につくりあげていきたい。
また、日本版発足にあたり、朝日新聞がハフィントンポストから貪欲に学び、吸収したい点がいくつかある。いかにしてユーザーをまきこみ、活発な議論をそこに展開して行くかという点。ユーザーの参加をどのように進めるかというオーディエンスビルディングの技術。ユーザー動向分析やSEO対策。非常に機動的なコンテンツ配信システム。さらに付け加えれば、ジミーが講演で話したような、ニューズルームのど真ん中に編集者と技術者が席を並べ、技術に関するフィードバックが編集者に絶えず供給される仕組み。
今後、コンテンツとテクノロジーの統合はますます重要なテーマになる。その点でもハフポのノウハウに学ぶべきものはたくさんあると思う。ハフィントンポストと朝日新聞とが相互にリンクをはり、トラフィックをお互いに誘導しあっていく。ハフィントンポストは、サイト訪問者数でニューヨーク・タイムズを抜き、激しい競い合いをしている最中だ。昨年はピューリッツアー賞も受けるなど、新旧のメディアがしのぎを削る状況が続いている。我々日本のメディアもこの10年、アメリカ同様の変革の荒波にもまれている。その最中にハフィントンポスト日本版の創設にぶつかったということになる。ユーザーとの双方向性を重視したオピニオンフォーラムの構築を通じて、新たな挑戦をしていきたい。
ハフィントンポスト日本版をどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
ジミー・メイマン氏:
本日この場にいれることをとてもうれしく思う。この1週間は私たちにとって特別なものだった。今年でハフィントンポストが誕生して8周年。振り返れば、短い間に色んなことを達成できたと胸が熱くなる。そういった意味で、この場でお話できることを嬉しく思う。
134年の伝統がある朝日新聞とパートナーシップを組めたことをうれしく思う。この10年で状況がどれだけ変わってきたのかということが、これからの10年でどのように変わっていくのかを示唆している。日本のメディアはこの変化を受け入れることができていると考えている。
1年半前にアメリカ以外での展開を考え、カナダやヨーロッパなどに展開してきた。アジアに展開しようとは考えていたが、まさかこんなに短期間で展開できるとは思っていなかった。「きっと長くかかるだろう、難しいだろう」と思っていた。しかし、日本に変化を受け入れ、その中で意志決定していく素地があったからこれほど短期間で実現できた。昨年8月のロンドン・オリンピックで朝日新聞の関係者に会い、交渉を始めたのだが、それからわずか9ヶ月でサイトオープンにいたった。これは日本人の能力の高さの表れだと思う。ドイツ人は日本人に比べて意思決定が遅いのだろうか。ドイツ人にはサイトオープンを急がせているところだ。日本と同じ時期にドイツのチームと話を始めたのにドイツ版は9月になりそうだ。
なぜアジアの中で日本が初展開なのかというと、日本の新聞市場が世界的に見ても巨大だということがある。オンラインへの広がりもある。朝日と組むことでオンラインへのトラフィックの成長の一役を担いたい。
この数年間、日本では様々な問題が起きた。福島原発、政治問題・・・そういった問題があって、人々はいま、報道に対する信頼を失いかけているのではないかと思う。そういった中で、ただ報道するだけではなく自分たちの声を聞いてもらいたいと望んでいる人たちの声を集め、届けるプラットフォームになりたいと思っている。それこそがハフィントンポストのDNAであり、今こそが展開に最も適した時期だと考えている。
日本は広告市場としても大きなマーケットだ。電通、CCIと一緒に取り組んでいるが、今は全体の15%がオンラインに手がけられていると聞く。それらは今後もっとのびていくだろう。ありがとう。
<質疑応答>
司会はザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンCEO、小野高道氏
質問:「アリアナさんと木村社長に日本のネットユーザーについて質問したい。既存ニュースメディアのニーズや不満にどう分析しているのか?そして、その上でハフィントンポスト日本版はユーザーのどういった部分にアピールできると考えているのか?」
アリアナ氏:日本版でやろうとしているのは、広範囲な対話にもっていこうということ。参加するのは有名な人だけでなく普通の人たち、学生でも自分たちの意見を出せる場をつくる。先ほど松浦編集長が「日本人は自分から意見を出したがらない」と言っていたが、我々は意見だけでなく、自分の物語を発信していきたい。幅広い対話を育てるようなプラットフォームを提供することが、日本版の目標。言葉や写真、動画やブログで自分の物語を語っていただきたい。
木村氏:他の新聞に先駆けてオピニオン欄をつくったのは我々だったという自信がある。情報の発信者と受信者が互いに尊敬し合うことで新しい言論空間をつくりたいという目標は、デジタルであろうと紙であろうと変わらない。もしかすると新聞は自分たちの主張を一方的に出してきたというところもあったかもしれないが、社会に開かれたユーザーのみなさんと共有できる空間をつくっていきたい。
質問:「編集権について聞きたい。日本版の最終的な編集権は誰が持っているのか。松浦氏か、朝日新聞か、それともハフィントンポスト本国版なのか?また、ヤフーニュースに「ハフィントンポスト日本版は失敗する」という記事が出ていたが、自分たちを批判する記事が出ていた場合、掲載についてどのような判断をするのか?」
西村氏:編集権を持っているのは松浦編集長。朝日新聞とは独立している。私たちの方から意見をいったりすることはない。批判は大いに歓迎するところだ。
松浦氏:ヤフーの記事は私も読んだが、愛があふれた叱咤激励の記事だったと思う。もちろん、そういう記事も掲載する。ユーザーの声を真摯にうけとめ、次のステップにつなげていきたいからだ。
アリアナ氏:今の話を聞いて、ちょうど8年前にアメリカでハフィントンポストを始めた時のことを思い出した。その時も「失敗するぞ」と言われた。何人がブログを書くのかとも言われた。しかしそれはスタート時点からの必要な「旅路」である。私たちがやってきたこと、それは、個人の物語や対話が書かれたブログを通じて成長していくこと。日本でも、みなさんが「前向きに問題を解決するんだ」という気持ちでブログを書いていただければ、何かの問題に対して今までできなかった早さで解決が導き出せると思う。
質問:「『変えるのはあなた』というコンセプトあったが、発信するのは一般の人たちになると思う。その発信する人たちを集める具体的戦略は何か。例えば有名ブロガーに頼るのか、もしくは広告戦略的なものに頼るのか。人々の声をどうやって集めるのか?」
松浦氏:ブロガーの方には有名無名を問わず発信していただく。政治家のみなさんにも参加してもらう。一般の方の参加方法は、記事にコメントをしてもらうことが中心になると思う。反対コメントだけでなく、問題解決に向けてのボトムアップをする建設的なコメントも集めていきたい
アリアナ氏:テレビ局のインタビューを昨夜受けた。インタビューが終わった後に日本版のブログエディターが来て、「一般の人でもハフィントンポストのメールアドレスに連絡すれば記事を出すことができる」と説明した。これを使えばほかにはないスピードで自分の意見を出すことができる。ブログをハフィントンポストに出していただいた方が、これまでよりも多くのトラフィックが期待できると思う
質問:「松浦さんに聞きたい。建設的な議論にしていきたいという話だが、日本のネット環境はネガティブな意見で炎上しやすい性質がある。ネガティブな意見を排除し、建設的な意見にするためにはどのような工夫をするのか、仕組みを教えてほしい。アリアナさんに聞きたいのは、国際版で最も成功しているのはどこの国で、日本版の成功に向けての見通しはどのようなものなのかという点」
松浦氏:ひとまずは誹謗中傷などの不適切な表現は表示させない対応をとる。AとBの意見をだしたとき、それぞれの悪いところを出してしまうと前に進まない。Aはどうですか?と問いかけた後、A’の案を出し、それをバージョンアップしてBの意見にしていけるような編集にしていきたい。ポジティブなコメントで構成しているコミュニティもあるので、真摯にやっていきたい。
アリアナ氏:世界展開の中ではフランスの成功が目立つ。サイトオープンから1年が経ったが、デジタルサイトの中ではナンバー1サイトという評価がある。日本版についても非常に期待している。なぜなら、日本は変革の最中であり、豊かで堅牢な対話を求めているからです。声を聞いて欲しいという人たちのプラットフォームになれると思う。私たちはこれまでに2億6千万のコメントを得ているが、それが豊かな対話を築いていると確信している。
ジミー氏:日本市場には非常に期待している。私たちはどのマーケットでも成功している。質問はあたかも「自分たちの子どもの中で誰が一番良い子か」と聞かれているような気がする。どのマーケットでも参加者・売上とも成功している。2年後には各国のトップ5のサイトになれることを見込んで進出している。日本でもその見込みは同じだ。
質問:「朝日新聞社のWEBRONZA(ウェブロンザ)とのすみわけは?米国版サイトではオバマ大統領などの超VIPが参加しているが、日本でも同じような期待がるライターはいるか。安倍首相に書いて欲しいとか。
木村氏:WEBRONZAはみなさんの支持を得て、育ってきた。朝日新聞デジタルも有料会員12万人を達成した。長期的視野でみれば、これらとの統合は今のところない。それぞれに支持者がいるので、全体のバランスをみながら将来的な構想を考えている。
西村氏:木村社長の回答に補足します。オピニオンフォーラムという点では共通しているところがあるが、WEBRONZAはもっとゆったりとした議論をする場と考えている。ハフィントンポストはライブ感があり、性格が違うと思っている。それぞれの特徴を伸ばし合い、高め合いながら言論空間を育てていきたいと考えている。
アリアナ氏:一番書いて欲しいのは一般の方々。ここにはヒエラルキーはない。素晴らしい例を挙げるならば、かつて本国版で政治家やセレブのすぐ近くに10代のホームレスのブログが掲載された。そのブログがハーバード大の入学審査官の目に留まり、入学が決まった。私はそういうことが起こるのが好きです。多様な人々が交じり合ってブログを寄稿しているが、唯一の共通点は質の高いものをもっているという点。時間の関係でみなさんの質問に答えられないのが残念なので私のメールアドレスをお教えします。そちらに質問をくだされば何でもお答えします。
以上
※この記事は順次アップデートいたします。